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家計簿が続かない人のための「記録しない家計管理」

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家計改善アドバイザーの真鍋みゆです。

レシートを財布から出して、アプリを開いて、費目を選んで入力する。3日目くらいまでは順調なんですよね。

そして1週間後、まとめてやろうと思っていたレシートの束を見て、そっと閉じる。ご相談に来られる方の多くが、この経験をされています。

でも、それは意志が弱いからではありません。

無理があるのは、記録に頼るという設計そのもののほうなんです。

その前に、平均の話を先に済ませておきます

本題に入る前に、ひとつだけ。数字を見て落ち込まないでいただきたいので、先にお伝えしておきます。

2025年の消費支出は月31万円台

総務省の家計調査によると、二人以上の世帯の消費支出は、2025年の平均で1か月あたり314,001円でした。

前の年と比べると名目で4.6%増えていますが、実質化に使う物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が3.7%上がっているので、実質の伸びは0.9%です。

支出が増えたのは、必ずしも使いすぎたからではありません。同じものを買っても金額が上がる時期だということです。

数字は毎年更新されますので、最新の状況は総務省統計局の家計調査(家計収支編)で確認してみてください。

平均と比べて落ち込まなくて大丈夫です

ここが大事なところです。

家計を見せていただくと、「平均より使いすぎでしょうか」と聞かれることがよくあります。でも、平均は世帯人数も住んでいる地域も収入もバラバラな人たちを、ひとまとめに割った数字です。

平均に届いていないことも、超えていることも、それ自体は良し悪しではありません。見るべきなのは、あなたの家計が回っているかどうかだけです。

貯蓄額も同じです

「みんないくら貯めているのか」も、よくいただく質問です。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査で数字を見ることができます。

ただ、ここであえて平均額は書きません。貯蓄額の平均は一部の大きな保有額に引っ張られて高く出るので、真ん中の人の実感とは大きくずれるからです。

気になる方は家計の金融行動に関する世論調査を、ご自身の年代・世帯構成のところだけご覧ください。平均ではなく中央値(真ん中の人の額)を見るのがコツです。

家計簿が続かない、本当の理由

では本題です。なぜ記録は続かないのでしょうか。

理由1:手間が毎日発生する

記録は、支出があるたびに発生します。月に100回買い物をすれば、100回の作業です。

しかも、疲れている日ほど買い物は増えます。よくあるのが、コンビニに寄った日ほど入力が面倒になる、という形なんです。

理由2:記録しても、行動が変わらない

これがいちばん大きいと思っています。

1か月がんばって入力して、月末に「食費が5万円でした」と分かる。でも、そこから何をすればいいかは分かりません。

記録は現状を教えてくれますが、使いすぎを止めてはくれないんです。

理由3:完璧にやろうとしてしまう

1円単位で合わせようとすると、レシートをなくした時点で気持ちが折れます。

家計を見せていただくと、几帳面な方ほど途中でやめてしまっている印象があります。ざっくりでいい、と最初に決められるかどうかなんですよね。

記録しない家計管理の考え方

記録の代わりに何を置くか、という話です。

残高そのものを答えにする

記録するのは、いくら使ったかを知るためです。

だったら、口座の残高を見れば分かる状態にしてしまえばいい。これが「記録しない家計管理」の発想です。

使ってよいお金だけが入った口座を1つ作って、そこから支払う。残高が減っていけば使った分、月末に残っていれば余った分。

入力は要りません。

お金の置き場所を分ける

もう少し正確に言うと、やっているのは記録の代わりにお金の置き場所を分けることです。

  • 毎月必ず出ていくお金(固定費)
  • その月に使ってよいお金(生活費)
  • 手をつけないお金(貯蓄)

この3つが同じ口座に入っているから、いくら使えるのか分からなくなります。分けてしまえば、考えなくても答えが出ます。

我慢ではなく、仕組みで

この方法の良いところは、意志の力をほとんど使わないことです。

「今月は使いすぎないようにしよう」と毎日思い続けるのは、しんどいですよね。先に形を作っておけば、思い出す必要すらなくなります。

具体的な仕組みの作り方

実際にどう組むか、順番にお話しします。

ステップ1:口座を3つに分ける

まず、役割ごとに口座を分けます。すでに持っている口座を使い回して構いません。

  • 固定費用……給与が振り込まれる口座。家賃・光熱費・通信費・保険料などの引き落としをここに集める
  • 生活費用……食費や日用品など、月々使うお金だけを入れる
  • 貯蓄用……普段は見ない。引き出しにくい場所がよい

分け方の具体的な手順は先取り貯金の口座の分け方と自動化の設定にまとめています。

ステップ2:貯蓄を先に引く

給料が入ったら、まず貯蓄用へ移します。残ったお金で生活する、という順番です。

金額は最初から大きくしないでください。無理なく続けるなら、確実に届く額から始めて、続いてから上げるほうが安全です。

ステップ3:生活費用に、1か月分だけ入れる

固定費の引き落としを済ませたあと、残りから生活費として使う分を生活費用の口座へ移します。

ここがこの仕組みの心臓部です。

その口座の残高が、そのまま「あと使えるお金」になります。アプリを開かなくても、ATMや通帳を見るだけで分かります。

ステップ4:支払い方法を1本にまとめる

生活費の支払いは、生活費用口座に紐づいたカードやコード決済に寄せます。

現金・複数のカード・複数のコード決済が混ざっていると、残高が答えにならなくなります。使う手段を減らすほど、この仕組みは正確になります。

実践するときのつまずきどころ

ご相談を受けていて、よく出てくる場面をいくつか。

月の途中で足りなくなったら

最初の数か月は、必ずと言っていいほど足りなくなります。それで正常です。

足りなくなったら、貯蓄用ではなく固定費用の口座から補ってください。そして翌月、生活費に移す金額を少し増やします。

予算が現実に合っていなかっただけなので、予算のほうを直せば済みます。

逆に、余ったら

余った分は、そのまま生活費用に置いておいて構いません。

翌月に繰り越せば、大きな出費があった月の緩衝材になります。きれいに使い切る必要はないんです。

年に数回の出費はどうするか

車検、税金、帰省、家電の買い替え。こうした出費が家計を崩す原因になります。

これらは月の生活費には入れず、年間で必要な額を12で割って、毎月別に積んでおく形にすると崩れません。ボーナスに頼らない考え方はボーナスに頼らない年間貯蓄計画の立て方で詳しく扱っています。

それでも支出が多いと感じたら

仕組みを作ってみて、どうしても生活費が入りきらない場合は、支出そのものを見る段階になります。

ただし、削るのは変動費からではありません。

先に見るのは固定費です。1回見直せば毎月効き続けるので、労力あたりの効果がまったく違います。

仕分けの基準は支出を「固定費・変動費・自己投資」で仕分ける基準にまとめました。

この仕組みが向いている人・向かない人

誰にでも合う方法ではないので、正直に書いておきます。

向いている場合

  • 家計簿を何度か始めて、続かなかったことがある
  • 毎月なんとなく残らないが、原因が分からない
  • 収入が毎月ほぼ一定である

向かない場合もあります

  • 収入が月によって大きく変わる……先に予算を決めにくいので、数か月分をまとめて管理する形のほうが合います
  • 費目ごとの内訳を把握したい……この方法では「何に使ったか」は分かりません。分析したい方には記録が必要です
  • すでに家計簿が続いている……回っているなら、変える必要はありません

2つ目については、最初の1か月だけ記録して全体像をつかみ、その後は仕組みに移す、という進め方もあります。

まとめ:答えは、残高が教えてくれる

今日の話を、順番に並べ直しますね。

家計簿が続かないのは、毎日手間が発生するうえに、記録しても行動が変わらないからです。だったら記録の代わりに、口座を役割ごとに3つに分けて、生活費用の残高が答えになる状態を作る。

貯めている方が特別に我慢しているわけではありません。使いすぎようがない形に、先にしてあるだけなんです。

今日できることを1つだけ挙げるなら、いま使っている口座を全部書き出して、それぞれが何の役割かを横に書いてみることでしょうか。役割がかぶっている口座が見つかったら、そこが手をつけどころです。

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監修:結城 涼太(コンテンツディレクター)
本記事は家計管理に関する一般的な情報提供を目的としたもので、貯蓄額や節約の効果を保証するものではありません。記載している金額や割合は目安であり、必要な額はご家庭の状況によって異なります。税・社会保険・保険・金融商品に関わる判断は制度改正の影響を受けるため、実際のご判断は公的機関および各社の最新情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。
この記事を書いた人
真鍋 みゆ(家計改善アドバイザー)
節約・貯金・家計管理が専門。500名以上の家計を分析・改善してきた経験から、「我慢ではなく仕組みで貯める」を軸に発信している。削ることより、続く形にすることを大切にしている。