家計改善アドバイザーの真鍋みゆです。
固定費を見直して、月に8千円下がった。そこまではうまくいく方が多いんです。
ところが2年後にお話を伺うと、契約がまた増えていることがあります。新しいサブスク、乗り換えたつもりで残っていたオプション、更新された保険。
見直しは1回で終わるものではなくて、定期的にやる作業なんですよね。今日は、それを年に1回だけで済ませる形をお渡しします。
なぜ「年1回」なのか
頻度の話から始めます。
毎月やるものではありません
固定費は、そう頻繁には変わりません。毎月チェックしても、たいてい何も変わっていないので続かなくなるんです。
逆に、3年に1度では手遅れになります。年に1回が、労力と効果のちょうど中間にあると感じています。
同じ月に固定するのがコツです
ここがいちばん大事なところです。
「そのうちやろう」では来年になっても手をつけません。
誕生月、契約の更新月、年度末。どれでもいいので、毎年同じ月に決めてしまってください。
おすすめは、保険や賃貸の更新が来る月です。どうせ書類を見る月なので、ついでに全部見てしまえます。
所要時間は2時間くらい
この記事の所要時間は、明細や契約書が手元にある場合の編集部目安です。契約数、家族の回線数、問い合わせの有無によっては2時間を超えます。
1年に一度、家計の土台を確認する時間として予定を確保してください。
まとめて取れないなら、1項目ずつ分けても構いません。
30分しか取れない場合
まずカード・銀行の明細を開き、サブスク15分、積立額10分、次回日程の登録5分だけ進めます。
通信、電気・ガス、保険、住居費は比較や確認に時間がかかるので、別日に分けてください。短い時間で契約変更まで終わらせる必要はありません。
準備を10分で終わらせるコツ
この作業でいちばん時間を取られるのは、実は明細を探すところです。
先にやっておくと当日が早く終わるのは、次の3つです。
- 引き落とし口座の明細を1年分……ネットバンキングで期間を指定して表示しておく
- クレジットカードの利用明細……年間の一覧を出せるカード会社が多い
- 契約書類の置き場所……保険証券、賃貸契約書、通信の契約内容
明細は印刷しなくて構いません。画面で開ける状態にしておけば十分です。
この3つが揃っていれば、7項目のうち5つはその場で判断できます。
探しながら進めると集中が切れて、途中で止まりやすくなるんですよね。
チェックリスト(7項目)
確認する順番に並べています。上から順に進めてください。
始める前に用意するもの
- 銀行口座とクレジットカードの直近12か月の明細
- 通信・電気・ガス・保険・賃貸の契約内容
- 前年の見直しメモと、次の更新月が分かる書類
書類が見つからない項目は、その場で探し続けず「再発行」「マイページ確認」とメモします。確認作業と契約変更を分けると、2時間の枠が問い合わせだけで終わりません。
1. サブスク・月会費(15分)
いちばん最初にやります。手続きが簡単で、その場で結果が出るからです。
- クレジットカードの明細を12か月分さかのぼる
- 毎月・毎年引き落とされているものを全部書き出す
- この1年で1回も使っていないものに印をつける
家計を見せていただくと、本人も把握していない引き落としが2つ3つ出てくることがよくあります。まずここを片づけると弾みがつきます。
無理なく続けるなら、この15分だけでも先にやってしまってください。
2. 通信費(30分)
スマートフォンとインターネット回線です。
- いまのプランと、実際に使っているデータ量が合っているか
- 不要なオプションが残っていないか
- 家族の回線をまとめる余地があるか
プランを変えるだけで下がることもあります。乗り換えを考える場合は、格安SIMに乗り換える前にやるべき6つの確認を先に読んでおくと失敗しません。
3. 電気・ガス(20分)
契約している会社とプランを確認します。
- 検針票やマイページで、いまの単価とプラン名を確認する
- 複数社の料金を比べてみる
- 電気とガスをまとめる割引が使えるか
比べ方の視点は電力会社の比較はなぜ必要? 自由化を活かして電気代を見直す5つの視点にまとめています。
複数社を見比べたうえで、いまのままが良いという結論になることもあります。それも確認した成果です。
4. 保険(30分)
時間をかけて丁寧に見る項目です。
- 加入している保険を全部書き出す(保障の内容、保険料、いつまで払うか)
- 家族構成や働き方が変わっていないか
- 公的な制度でカバーされる部分と、重なっていないか
ここは「減らす」を目的にしないでください。必要な保障まで削ると、いざというときに困ります。
見直すタイミングの考え方は保険の見直しはいつが最適?ライフステージ別のタイミングと相談先の選び方で扱っています。
5. 住居費(15分)
すぐに動かせる項目ではありませんが、年に1回は見ておきます。
- 更新料や火災保険を含めた、実際の総額はいくらか
- いまの手取りに対して重すぎないか
- 住宅ローンがある場合、借り換えを検討する余地があるか
計算の仕方は一人暮らしの適正家賃を手取りから逆算するにあります。
6. 積立額(10分)
ここで、下げた分の行き先を決めます。
- この1年で収入は変わったか
- 1〜5で固定費が下がったなら、その分を積立に足せるか
- いまの積立額で、生活は苦しくないか
この項目を飛ばすと、せっかく下げた分が生活費に吸収されます。見直しの成果を残すかどうかは、ここで決まります。
7. 口座の棚卸し(10分)
最後に、口座とカードを整理します。
- 使っていない口座はないか
- 役割がかぶっている口座はないか
- 使っていないクレジットカードはないか(年会費がかかっていることがあります)
口座を3つに整理する考え方は先取り貯金の口座の分け方と自動化の設定にまとめました。整理したあと家計簿なしで回す方法は、家計簿が続かない人のための「記録しない家計管理」のほうです。
家族と一緒にやる場合
一人暮らしなら、この作業は自分のペースで進められます。
家族と暮らしている場合は、少しだけ段取りが要ります。
7項目のうち、通信・保険・住居費は、一人では決められないことが多いためです。
先に一人で明細を集めて金額を並べ、その状態で相談の時間を取るのが、いちばん進みます。
いきなり「見直したい」と切り出すと、削られる話に聞こえてしまうんですよね。
数字が並んでいれば、話の中心が「どうするか」に移ります。
時間は30分ほどで足ります。全部を決めきらず、次に調べることを分担して終わるくらいで十分です。
お子さんがいる場合、習い事や学校関連の費用もこのタイミングで一緒に見ておくと、翌年の見通しが立てやすくなります。
あわせて確認しておきたいこと
7項目に加えて、余裕があれば見ておくとよいものです。
手元にいくら置いてあるか
急な出費や収入の減少に備えて、すぐ使える現金がどれくらいあるかを確認します。
よく「生活費の3か月分」「半年分」といった目安を目にしますが、これは一般に流通している目安であって、公的に定められた基準ではありません。
収入の安定度や家族構成によって必要な額は変わりますので、ご自身の状況に合わせて決めてください。
特別費の見積もりが合っていたか
車検や税金のために積んでいた額が、実際とどれくらいずれていたかを確認します。
ずれていたら、来年の金額を直します。組み方はボーナスに頼らない年間貯蓄計画の立て方で扱っています。
ライフイベントの予定
この1年で、結婚・出産・進学・転職・引っ越しの予定はあるでしょうか。
予定がある年は、通常の見直しに加えてまとまった支出の準備が必要になります。
記録に残しておきたい項目
1年後の自分が困らないように、終わったら記録を残してください。
書くのは次の5つで足ります。
- 実施した日……次の年の目安になる
- 変更したこと……解約したもの、切り替えたもの、金額を変えたもの
- 変更しなかった理由……検討したうえで見送ったものと、その理由
- 次回に確認すること……今回は判断できず持ち越したもの
- 契約の期限……更新月、解約できる期間、キャンペーンの終了時期
とくに効いてくるのが、3つ目の「変更しなかった理由」です。
これが残っていないと、翌年また同じものを一から調べ直すことになります。
見送った理由が書いてあれば、その前提が変わったかどうかだけを確認すれば済みます。
保存先は、家計簿でもスマホのメモでも構いません。
来年の同じ月に開ける場所であることのほうが大事です。
やるときの注意点
回し始める前に、3つだけ。
「必ず安くなる」わけではありません
見直したからといって、すべての項目で下がるとは限りません。
いまの契約が条件に合っていることもありますし、乗り換えに手数料がかかる場合もあります。比べたうえで変えないという判断も、立派な結果です。
ちなみに「必ず安くなる」と言い切る広告は、景品表示法上で問題になることがあります。判断の物差しは消費者庁の景品表示法のページで確認できます。
断定している比較サイトを見かけたら、少し引いて読んでください。
一度に全部やらない
7項目を一気に変更すると、何が原因で家計が変わったのか分からなくなります。
優先度の高いものから2〜3項目ずつでも構いません。そのほうが確実です。
結果をメモに残す
やった内容と、変更したこと・しなかったことを1枚に書いておいてください。
来年の同じ月に、それを見るところから始められます。この積み重ねが、いちばん効きます。
残す項目は、確認日・契約名・現在額・比較した候補・変更の有無・次の更新月の6つで十分です。変更しなかった場合も「保障を優先」「解約金が高い」など、理由を1行残します。
来年は同じ比較を最初からやり直さず、更新月と料金変更の有無だけを確認できます。書類は撮影して、メモと同じフォルダに置いておくと探す時間も減ります。
途中で止まってしまったとき
7項目を一度に終えられないこともあります。
そのときは、途中で止めたままにせず、どこまで進んだかだけ書き残してください。
よくあるのが、通信費の比較を始めたものの結論が出ず、そのまま数か月経ってしまうケースです。
止まったら、次にやることを1つだけ決めて、日付を入れてください。
「今月中に今の契約のデータ使用量を確認する」といった、10分で終わる粒度で十分です。
全部をやり直そうとすると、また同じところで止まってしまいますよね。
年1回と決めていても、途中まででも構いません。去年より1項目多く終えられたなら、それで前に進んでいます。
まとめ:日付を決めて、上から順に
当日は、確認・比較・変更を一度に終わらせなくて構いません。未確認の項目と次の行動が残れば、見直しは前へ進んでいます。
来年の自分が迷わない記録を残すところまでを、年1回の作業に含めてください。
固定費は放っておくと増えていくので、定期的に見る仕組みが要ります。
頻度は年1回。誕生月や更新月など、毎年同じ月に固定する。
サブスク → 通信費 → 電気ガス → 保険 → 住居費 → 積立額 → 口座、の順に進めて、所要時間は合計で2時間ほど。
いちばん大事なのは6番目の積立額です。下げた分の行き先を決めておかないと、成果が残りません。
始め方は、カレンダーに「家計の見直し」と1年後の日付で書き込むだけです。予定にしてしまえば、あとは当日に上から順に進めるだけになります。
固定費の中でも効きやすい3つについては、スマホ・保険・電気の「固定費3本柱」を見直して、毎月のムダを減らす方法にまとめられています。
