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保険の見直しはいつが最適?ライフステージ別のタイミングと相談先の選び方

FP2級/保険コンサルタントの柊木まどかです。

保険は一度加入すると、そのまま何年も見直さないままになりがちです。

けれども暮らしが変わっても保障の中身が昔のままだと、いざというときの備えが足りなかったり、逆に必要のない保険料を払い続けていたりすることがあります。

この記事では、保険を見直したいタイミングと、中立な立場で相談できる相手の選び方を、私が相談の現場で感じてきたことも交えながら丁寧にお伝えします。

保険の見直しは「暮らしの変化」に合わせる作業

保険の見直しと聞くと、なんだか面倒な手続きを想像するかもしれません。

ただ、その本質はとてもシンプルです。

保険の見直しとは、変わっていく暮らしに、保障の中身を合わせ直す作業です。

加入したときと今とでは、家族の人数も、収入も、抱えている責任も変わっているはずです。だからこそ、節目ごとに確認する価値があります。

なぜ「一度入って終わり」ではいけないのか

保険に入るとき、私たちは将来を想像しながら保障の内容を決めます。

しかし人生は、想定どおりに進むとは限りません。

加入時に必要だと考えた保障が要らなくなることもあれば、要らないと思っていた保障が急に必要になることもあります。

その結果、今の暮らしと保険の中身がずれたまま放置されてしまうのです。

このずれを埋める作業が、保険の見直しにほかなりません。

見直し=解約ではなく「今の自分に合わせる」こと

見直しというと、今の保険をやめて新しい保険に入り替えることだと考える人がいます。

けれども、それは選択肢の一つにすぎません。

保障額を増やす、逆に減らす、特約だけを外す、受取人を変えるといった調整も、りっぱな見直しです。

今の保険がご自身に合っているなら、そのまま続けるという判断も十分にありえます。

大切なのは、変えることそのものではなく、今の暮らしに合っているかを確かめる姿勢です。

見直しで確認したい3つの視点

見直しのときに見ておきたい視点は、大きく3つに整理できます。

1つ目は、保障額が今の暮らしに見合っているか。家族構成や収入が変われば、必要な保障の大きさも変わります。

2つ目は、保険料の負担が家計を圧迫していないか。無理のある保険料は、長続きしません。

3つ目は、保険金の受取人が今の状況に合っているか。結婚や離婚のあとに、受取人が昔のままになっている例は少なくありません。

この3点を頭に置いておくと、次からお伝えするタイミングでの確認がぐっとしやすくなります。

家族が増えるタイミングで保険を見直す

保険を見直す代表的なきっかけは、家族の増減です。

まずは、家族が増える方向の変化から見ていきます。

結婚したとき

結婚は、保険を見直す最初の大きな節目です。

二人で暮らし始めると、一方に万が一のことがあったときの生活への影響が、独身のころとは変わります。

たとえば片方の収入で家計を支える形になる場合、その人に手厚い保障を持たせておくと安心につながります。

また結婚の前後で、保険金の受取人を配偶者に変更しておくことも忘れないでください。受取人が親のままだと、いざというときに想定と違う人へ保険金が渡ってしまうことがあります。

あわせて、契約者がご自身になっているかも確認しておくと、その後の手続きがスムーズになります。

妊娠・出産のとき

妊娠や出産は、保障を見直す大切なタイミングです。

子どもが生まれると、「万が一のときに、今の保障で子どもを育てていけるか」という視点が加わります。

一般的には、子どもが独立するまでの期間を意識して、必要な保障額を考えます。

たとえば独立までを20年ほどと見込むなら、その間は保障を厚めにし、独立後は見直すという考え方ができます。

一方で、子どもの医療については過度に手厚くしすぎない選択肢もあります。自治体によっては、子どもの医療費を助成する制度が整っているためです。

公的な助成がある部分は、民間の保険で二重に備える必要が薄れることもあります。お住まいの自治体の制度を確認したうえで、必要な範囲を見極めてください。

住宅を購入したとき

住宅の購入も、保険を見直す見逃せない機会です。

多くの場合、住宅ローンを組むときに団体信用生命保険(団信)に加入します。

団信は、ローンの返済中に契約者が亡くなったり所定の高度障害の状態になったりしたときに、残りのローンが保険金で返済される仕組みです。

つまり団信に入ると、住まいにかかる大きな負債への備えが、すでに一つできている状態になります。

そのため、これまで加入していた死亡保障の一部が重複していないか、この機会に確認する価値があります。

重複していた分を整理できれば、保障の抜けもれを防ぎつつ、家計の負担をやわらげられる場合があります。ただし、団信の保障範囲は商品によって異なるため、契約内容を確かめたうえで判断してください。

暮らしや働き方が変わるタイミングで見直す

家族が増える場面だけでなく、働き方や家族の形が変わるときも、見直しの好機です。

ここでは、収入や責任の変化に関わるタイミングをまとめます。

就職・転職で収入が変わったとき

就職や転職で収入が変わると、同じ保険料でも負担の感じ方が変わります。

収入が増えたなら、これまで抑えていた保障を必要な範囲で見直す余地が生まれます。

反対に収入が下がったときは、無理なく続けられる水準まで保険料を調整することも選択肢です。

ここで大切なのは、目先の保険料だけで判断しないことです。保障を削りすぎると、いざというときに困る可能性があります。

今の収入で払い続けられるか、そして必要な備えは残っているか。この両面から考えると、後悔しにくい調整ができます。

子どもが独立したとき

子どもが独立すると、教育費や生活費を支える責任が一段落します。

この時期は、子どものために厚くしていた死亡保障を見直せる場面です。

ただし、単純に保障を薄くすればよいとは限りません。

子どもが独立するころには、ご自身や配偶者の年齢も上がっています。

そのため、死亡への備えを減らす一方で、医療や介護、老後の生活資金といった別の備えに目を向けるという考え方もあります。

離婚したとき

離婚も、保険の見直しが欠かせない場面です。

家計を支える関係が変わると、それぞれに必要な保障の大きさも変わります。

特に子どもの親権を持つ側は、子どものために保障を確保したい一方で、収入面の余裕が減ることもあり、慎重な検討が求められます。

また離婚のあとは、保険金の受取人が元の配偶者のままになっていないかを必ず確認してください。変更を忘れると、意図しない相手に保険金が渡ってしまう恐れがあります。

感情的にも手続き的にも負担の大きい時期ですが、受取人の確認だけは早めに済ませておくと安心です。

老後・シニア期に入るとき

老後を迎えるころの見直しは、以前より判断が難しくなっています。

かつては、年齢とともに死亡保障を薄くしていくのが一般的でした。

ただ近年は健康寿命が延び、リタイア後も長く元気に過ごす人が増えています。

そのため、備えるべき期間はまだ長いと考え、保障を残す判断もありえます。

死亡への備えだけでなく、医療や介護にかかる費用をどう用意するか。この視点も含めて、ご自身の暮らし方に合わせて考えてください。

ライフイベント以外に見直したいとき

家族や働き方の変化がなくても、保険を見直したほうがよい場面はあります。

見落とされやすい3つのきっかけを挙げます。

保険料の負担が重く感じてきたとき

保険料の支払いが家計の重荷になり始めたら、それは見直しの合図です。

想定したほど収入が伸びなかったり、支出が増えたりすると、同じ保険料でも負担感が変わります。

このとき、いきなり保険を減らす前に、家計全体を一度点検してみてください。

通信費や固定費に見直せる部分があれば、保険はそのままでも負担がやわらぐことがあります。

家計を整えたうえで、それでも重いと感じる場合に保険料の調整を検討すると、バランスの取れた判断がしやすくなります。

更新や満期が近づいたとき

更新型の保険は、一定期間ごとに保険料が上がる仕組みのものがあります。

更新のたびに負担が増えていくため、更新時期は見直しの好機です。

また満期のある保険は、その年齢に達すると保障が終わります。

満期を過ぎて保障が切れていることに気づかないまま過ごしてしまう例もあるため、契約の期間は一度確認しておくと安心です。

更新や満期のお知らせが届いたら、そのまま自動で続けるのではなく、今の自分に合っているかを立ち止まって考えてみてください。

新しい保険商品が登場したとき

保険も、時代とともに新しい商品が生まれ続けています。

以前はなかった保障や、より合理的な設計の商品が出ていることもあります。

ただし、新しいことがそのまま自分に合うことを意味するわけではありません。

新旧を比べるときは、保障の中身と保険料の両面を並べて確認することが大切です。

魅力的に見える保障でも、ご自身に必要かどうかは別の話です。中身を理解したうえで、必要な部分だけを選ぶ姿勢を持ってください。

保険の相談先の種類とそれぞれの特徴

見直したい気持ちが固まったら、次は誰に相談するかです。

相談先にはいくつかの種類があり、それぞれ立場と得意分野が異なります。

保険会社の営業担当(1社専属)

1つ目は、特定の保険会社に所属する営業担当です。

その会社の商品に精通しており、加入から手続きまで一貫して任せられる安心感があります。

一方で、取り扱えるのは基本的に自社の商品に限られます。

そのため、他社と比べてどうかという視点は得にくい傾向があります。すでに加入している会社の担当者に、その契約の内容を確認したいときに向いています。

乗合代理店・保険ショップ(複数社を扱う)

2つ目は、複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店や、街なかの保険ショップです。

1か所で何社もの商品を比較できるため、選択肢を広げやすいのが特徴です。

気軽に立ち寄れて、対面で相談できる安心感もあります。

ただし、扱っている保険会社の数や商品はお店によって異なります。すべての会社を網羅しているわけではない点は、頭に入れておいてください。

独立系のファイナンシャルプランナー(FP)

3つ目は、特定の保険会社に属さない独立系のFPです。

保険単体ではなく、家計や資産全体を見ながら相談に乗ってくれるのが強みです。

ライフプラン全体の中で、保険にいくらかけるのが妥当かを一緒に考えたいときに向いています。

相談料がかかる場合と、無料の場合があります。料金の仕組みは事前に確認しておくと安心です。FP資格を持つ人を探したいときは、日本FP協会のサイトが参考になります。

無料の保険相談サービス

4つ目は、複数社の商品をまとめて相談できる無料の保険相談サービスです。

専門の相談員が、家族構成や希望を聞きながら候補を提示してくれます。

費用をかけずに、複数の選択肢を一度に比較できる手軽さが魅力です。

保険そのものの基礎知識を整理したいときは、中立的な立場の生命保険文化センターの情報とあわせて確認すると、理解が深まります。

中立な相談先を選ぶための注意点

相談先の種類が分かっても、実際に選ぶときには気をつけたい点があります。

ここでは、偏った提案に流されないための視点をお伝えします。

「無料」の裏側にある仕組みを知っておく

無料で相談できるサービスは便利ですが、その仕組みは理解しておきたいところです。

多くの場合、相談サービスは保険会社から受け取る手数料によって成り立っています。

無料相談が成り立つ背景には、契約が決まると相談先に手数料が入る仕組みがあります。

これ自体は一般的な仕組みで、悪いものではありません。

ただ、この仕組みを知らないと、勧められた商品をそのまま受け入れてしまいがちです。仕組みを理解したうえで、提案の理由を自分でも確かめる姿勢が大切になります。

押し売り・偏った提案を見分けるサイン

相談の場で、次のような様子が見えたら少し立ち止まってください。

特定の1社や1商品ばかりを、理由の説明が薄いまま強く勧めてくる場合は注意が必要です。

また、その日のうちの契約を急がせたり、迷う気持ちを軽く扱ったりする対応も、良い兆候とはいえません。

信頼できる相談先は、メリットだけでなくデメリットや向かない人も正直に伝えてくれます。

「なぜこの商品なのか」を尋ねたときに、納得できる説明が返ってくるか。これが、中立性を見分ける一つの目安になります。

相談の前に自分で準備しておくこと

納得できる見直しのためには、事前の準備も役立ちます。

まずは、今加入している保険の証券を手元にそろえてください。保障の中身や保険料を把握しておくと、話が具体的になります。

次に、家計のおおよその収支と、これから起こりそうなライフイベントを書き出しておくと、必要な保障が見えやすくなります。

そして、相談前に一つでも自分なりの疑問を用意しておくことをおすすめします。

疑問を持って臨むと、提案をうのみにせず、自分の視点で判断しやすくなります。保険や家計の一般的な考え方は、金融庁が公開する情報も参考になります。

総括:保険の見直しは「変化のたび」に中立な目で

ここまで、保険を見直すタイミングと相談先の選び方を整理してきました。

ポイントは、結婚・出産・住宅購入・転職・子の独立・老後といった暮らしの節目ごとに、保障が今の自分に合っているかを確かめることです。

そして相談するときは、相手の立場と「無料」の仕組みを理解したうえで、偏りのない提案かどうかを自分の目で見極めることが大切です。

保険の見直しは、暮らしが変わるたびに、中立な視点で今の自分に合わせ直す作業です。

すべてを一度に完璧にする必要はありません。

まずは手元の保険証券を開き、今の暮らしに合っているかを確かめるところから、最初の一歩を踏み出してみてください。

監修:結城 涼太(コンテンツディレクター)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の保険商品・金融商品の加入や契約を勧誘・保証するものではありません。制度・商品内容・税制は変更される場合があります。保険料や保障内容、公的制度の最新情報は各保険会社や公式情報をご確認のうえ、実際のご契約・見直しの判断はご自身の責任で行ってください。

この記事を書いた人
柊木 まどか(FP2級/保険コンサルタント)
保険・リスク管理が専門。保険代理店を経て独立し、年間500件以上の相談に対応。特定の保険会社に所属しない中立な立場から、生活者目線での見直しを支援している。