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副業と本業を両立する人のスケジュールの組み方

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業務効率化コンサルタントの斎藤ほのかです。

副業を始めてしばらくすると、多くの人が同じところで止まります。時間が足りないという壁です。

ただ、私はこれを気力の問題として扱いません。原因を分けて考えます。時間の使い方が崩れるときは、必ずどこかの工程に無理がかかっていて、そこは仕組みで直せます。

両立できない原因を3つに分解するところから始めて、タイプ別のスケジュール例、そして続けるための管理までを順に見ていきます。

両立できない人に共通するパターン

スケジュールを作る前に、いま何が起きているのかを特定します。ここを飛ばして予定表だけ作り直しても、同じ場所で崩れます。

原因は3つに分かれます

「時間がない」という状態は、実際には次の3つのどれかです。

  • 可処分時間の総量不足……そもそも空いている時間が足りていない
  • 時間の細切れ化……合計すれば足りているが、まとまった時間がない
  • 意思決定疲れ……時間はあるが、何から手をつけるかを決める余力が残っていない

この3つは処方がまったく違います。総量不足の人が集中法を学んでも解決しませんし、意思決定疲れの人が早起きしても、決められない状態は変わりません。

自分がどれかを見分ける

直近1週間を思い出して、次のどれに近いかを選んでみてください。

  • 副業に使えた時間が週合計5時間未満だった → 総量不足
  • 合計は10時間あったが、1回あたり30分未満の細切れだった → 細切れ化
  • 時間は取れたのに、何をするか考えているうちに終わった → 意思決定疲れ

複数に当てはまる場合は、上から順に対処します。総量が足りていないうちに集中の質を上げようとしても、効果が見えにくいためです。

時間の作り方を3つの視点で考える

原因が特定できたら、それぞれに対応する打ち手を取ります。

視点1:総量不足には「引き算」から

足りないときに新しい時間を探すと、睡眠を削るところに行き着きます。そこは削らないという前提を先に決めておく方法があります。

やることは引き算です。1週間の記録を取り、副業以外に使っている時間のうち、削れるものを1つだけ選びます。

全部を見直そうとすると挫折するので、最初は1つで構いません。減らすものを決める手順はやることを減らすための「やらないことリスト」の作り方にまとめています。

視点2:細切れ化には「工程を分ける」

まとまった時間が取れないなら、作業のほうを時間に合わせて切ります。

たとえば記事を1本書く作業は、調べる・構成を決める・書く・見直す、という工程に分けられます。このうち「調べる」は15分でも進められますが、「書く」はまとまった時間が要ります。

細切れの時間には短い工程を、まとまった時間には長い工程を割り当てる。同じ合計時間でも、進み方が変わってきます。

通勤時間のような細切れ時間の使い方は通勤時間を副業の準備時間に変える具体的な使い方で整理しました。

視点3:意思決定疲れには「先に決めておく」

これがいちばん見落とされます。

本業を終えた後の脳は、判断する力が落ちています。その状態で「今日は何をやろうか」と考えると、決めるだけで時間が終わります。

対策は単純で、やることを前日のうちに決めておくことです。作業を始める時点で考える必要がない状態にしておけば、疲れていても手が動きます。

タイプ別のスケジュール例

ここからは具体的な形をお見せします。3つのうち、自分の生活に近いものを選んで試してみてください。

どちらの時間帯が自分に向いているか分からない場合は、朝型・夜型それぞれに合う副業作業時間の設計で実測してから戻ってくる方法もあります。

早朝型:出社前に90分

本業が定時に終わりにくい人や、夜に家族の時間がある人に向いています。

  • 前夜:翌朝やることを1つだけ決めて、資料を開いた状態にしておく
  • 朝:起床後すぐ、まとまった工程(書く・作る)に90分
  • 通勤中:短い工程(調べる・読む)に30分
  • 夜:やらない。翌朝の準備だけ5分

注意点として、早起きの分だけ就寝を早める必要があります。睡眠時間を削って作った時間は、翌日の本業に返済することになります。

夜型:帰宅後に60分+週末

朝がどうしても動かない人、夜のほうが集中できる人向けです。

  • 朝:やらない
  • 通勤中:その日の夜にやることを決める(判断だけ済ませる)
  • 帰宅後:食事と入浴を先に済ませ、60分。始める時刻を固定する
  • 週末:まとまった工程を2〜3時間

平日の60分は、進める時間というより止まらないための時間だと考えると気が楽になります。

週末集中型:平日は準備だけ

平日の残業が読めない人に向いています。

  • 平日:1日15分。調べる、材料を集める、翌週の予定を決める
  • 土曜:午前に3時間、まとめて作業する
  • 日曜:やらない(バッファとして空けておく)

日曜を空けておくのが要点です。土曜に予定が入っても、日曜で吸収できます。バッファの考え方は締め切りを守れない人のためのバッファ設計で詳しく扱っています。

時間ではなく、週あたりのアウトプットで管理する

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。

「週10時間やる」という目標は崩れやすい

時間を目標にすると、忙しい週に達成できなかった時点で記録が途切れ、そこから戻りにくくなります。

それに、10時間かけて何も仕上がらない週と、5時間で1本納品できる週では、価値がまったく違います。

単位を成果物に置き換える

そこで、管理の単位を時間から週あたりのアウトプットに変えます。

  • 「週10時間作業する」→「週に記事を1本仕上げる」
  • 「毎日30分デザインする」→「週にバナーを3本納品する」

仕組みにしてしまえば、その週に何時間かかったかは問題でなくなります。忙しい週は早い時間帯に詰め、余裕のある週はゆっくり進めればいい。判断の基準が1つになります。

最初の単位は小さく決める

最初から週1本を置くと、届かなかったときに落ち込みます。

2週間で1本など、確実に届く水準から始めて、達成できたら上げていく方法があります。見積もりの精度を上げる手順はタスクが終わらない原因を見積もりのズレから直す方法で扱っています。

続けるための工夫

組んだスケジュールを回し続けるために、3つだけ仕組みを足します。

作業の入り口を固定する

毎回違う場所・違う時刻で始めると、始めること自体に判断が要ります。

時刻と場所を固定してしまえば、その時間になったら座るだけになります。環境の整え方は集中が続かない人のための作業環境の整え方にまとめました。

案件の状態を1か所で見えるようにする

複数の案件を抱え始めると、何が止まっているのかが把握できなくなります。

管理表を1つ作って、案件名・締切・いまの状態だけを並べておくと足ります。最小構成の作り方はNotionで副業の案件管理を仕組み化する最小構成で解説しています。

連絡のやり取りを短くする

作業以外で時間を取られやすいのが、クライアントとのやり取りです。

1回で伝われば済む連絡が3往復すると、そのぶん作業時間が削られます。書き方の型は会議・連絡のムダを減らすチャット文章の書き方にまとめました。

崩れたときの戻し方を先に決めておく

予定は必ず崩れます。崩れないようにするのではなく、崩れた後にどう戻るかを先に決めておく方法があります。

具体的な戻し方は副業の作業を習慣化する仕組みと、挫折したときの戻し方に書いています。

週に一度、15分の見直しを入れる

スケジュールは組んだ時点では仮説なので、回しながら直します。その場を作っておきます。

見る項目は4つだけ

週末に15分だけ時間を取り、次の4つを確認します。

  • 今週のアウトプットは目標に届いたか……届かなかった場合、原因は総量か細切れか判断疲れか
  • 止まっている案件はあるか……止まっている理由が自分側か相手側か
  • 来週の稼働可能時間はどれくらいか……本業の予定を先に見る
  • 来週やることを1つ決める……最初の1手まで具体化しておく

反省会にしないのがコツです。できなかった理由を掘るのではなく、来週の予定に反映できる形だけを拾います。

予定は「入れる」より「空ける」

1週間を予定で埋めると、1つずれた時点で全部が後ろにずれます。

週のうち1日は、意識して空けておいてください。この空きが、遅れを吸収する場所になります。積み方の詳細は締め切りを守れない人のためのバッファ設計で扱っています。

繁忙期をどう乗り切るか

本業が忙しくなる時期は必ず来ます。そこでの動き方を先に決めておきます。

止めるのではなく、縮小運転にする

忙しい時期に完全に止めてしまうと、戻るときの負荷が大きくなります。

そこで、通常の設計とは別に縮小運転のときの最低ラインを決めておく方法があります。「週に1回、15分だけ案件表を開く」程度で構いません。

進める必要はありません。目的は、副業が視界から消えない状態を保つことです。

受注のほうを先に調整する

繁忙期が読めているなら、その前に受注量を減らす交渉をしておきます。

作業時間を削るより、抱える量を減らすほうが確実です。判断の材料はやることを減らすための「やらないことリスト」の作り方にまとめています。

戻る日を決めておく

縮小運転に入るときは、いつ通常運転に戻すかも同時に決めます。

期限のない縮小は、そのまま停止になります。カレンダーに戻す日を書いてから、縮小に入ります。

会社員が副業するときに知っておきたいこと

スケジュールの話とは別に、制度面で1つだけ触れておきます。

会社に雇われて働きながら、別の会社にも雇われて働く場合、労働時間は通算して扱われるのが現行のルールです。

このルールの簡素化は議論されていますが、2026年7月時点で施行時期は決まっていません。現時点では通算されるという前提で考えておく必要があります。

制度の内容は厚生労働省の副業・兼業のページで確認できます。

なお、業務委託として個人で請け負う形の副業は、雇用ではないためこの通算の対象になりません。勤務先の就業規則との関係は「副業禁止」の会社員はどこまでできる?就業規則と住民税の正しい知識で整理されています。

まとめ:原因を特定してから、予定表を作る

ここまでの内容を、実行できる順番に並べ直しておきます。

「時間がない」は総量不足・細切れ化・意思決定疲れの3つに分かれ、それぞれ打ち手が違います。そのうえで早朝型・夜型・週末集中型から自分に近い形を選び、管理の単位を時間ではなく週あたりのアウトプットに置き換える。この順番です。

続けられるかどうかは意志の強さではなく、始める前に判断が残っているかどうかで決まります。

今夜、寝る前に明日やる作業を1つだけ紙に書いて、机の上に置いてみてください。

翌朝の入り口から、判断を1つ減らしておく。仕組みとしては、これがいちばん小さい単位です。

始めたばかりの段階で整えておきたいことはこれから副業を始める人へ。続けられる人がやっている4つの準備にまとめられています。

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監修:結城 涼太(コンテンツディレクター)
本記事は副業と本業の時間管理に関する一般的な情報提供を目的としたもので、成果や収入を保証するものではありません。労働時間の通算をはじめとする制度は改正される場合があり、勤務先の就業規則によって取り扱いも異なります。実際のご判断は、厚生労働省の最新情報と勤務先の規程をご確認のうえ、必要に応じて所轄の労働基準監督署や専門家にご相談ください。
この記事を書いた人
斎藤 ほのか(業務効率化コンサルタント)
仕事術・生産性が専門。IT企業でプロジェクトマネージャーを5年務め、仕組み化・タスク管理・Notion整備を得意とする。意志ではなく工程と見積もりで解決する進め方を発信している。