業務効率化コンサルタントの斎藤ほのかです。
副業の時間を朝に置くか夜に置くか。ここで迷ったまま、なんとなく夜に流れている方は多いと思います。
「朝型のほうが生産性が高い」といった話も見かけますが、そこは出発点にしません。判断材料になるのは一般論ではなく、あなたの記録のほうです。
自分がどちらに向いているかを実測で見極める手順から入り、タイプ別の時間設計まで組み立てていきます。
そもそも変えないという選択
いま続いている形があるなら、無理に変える必要はありません。
この記事を読んで「自分は夜型かもしれない」と感じても、朝の時間で進められているなら、そのままで構わないと考えています。
測るのは、いまの形で進みが悪いと感じている場合だけで足ります。
変えること自体にも負荷がかかります。
1〜2週間は生活のリズムが崩れますし、その間は進みが落ちます。
それを取り返せるだけの差があるかどうかを、先に見てから決めてください。
先に前提:どちらが優れているという話ではありません
設計に入る前に、扱い方をはっきりさせておきます。
一般論をそのまま当てない
朝型・夜型の傾向については、さまざまな説が流通しています。ただ、一般に言われていることを個人にそのまま当てはめられるかは別の話になります。
この記事では、どちらが優れているかを決めません。決めるのは「あなたが実際に手を動かせている時間帯はいつか」だけです。
生活の制約のほうが強いこともある
朝が向いていても、子どもの支度で朝が使えない人はいます。夜が向いていても、家族の生活音で集中できない人もいます。
体感より生活の制約が強い場合は、制約のほうを優先します。向いている時間より、確保できる時間のほうが続きます。
試す順番を決めておく
朝と夜を1週間ずつ、と書きましたが、どちらから始めるかで結果が変わることがあります。
おすすめしているのは、いま自然にできているほうから始める形です。
ふだん夜に作業しているなら、夜の週から記録を取ります。
慣れているほうを先に測っておくと、比較の基準ができます。
逆に、慣れていないほうから始めると、最初の数日は慣れの分だけ数字が落ちます。
それを実力差だと判断してしまうと、正しく比べられません。
もうひとつ、2週目に入るときは間に2〜3日空けてください。
連続で切り替えると、体のリズムがついてこないまま2週目に入ってしまいます。
見極めるための実測手順
ここが本題です。2週間だけ記録を取ります。
ステップ1:記録する項目を3つに絞る
毎日、次の3つだけをメモします。1分で終わる量にしておくのが続けるコツです。
- 作業した時間帯(開始と終了)
- その時間に進んだ量(できれば工程単位。例:見出し2つ分)
- 体感(◎/○/△の3段階でよい)
ステップ2:朝と夜を1週間ずつ試す
1週目は朝に、2週目は夜に作業時間を置きます。順番はどちらからでも構いません。
ここで注意したいのが、比べるのは同じ種類の作業にすることです。朝に「書く」、夜に「調べる」を割り当てると、時間帯の差なのか作業の差なのか分からなくなります。
ステップ3:体感ではなく進んだ量で比べる
2週間の記録がそろったら、時間帯ごとに進んだ量を並べます。
判断に使うのは体感ではなく、実際に進んだ量のほうです。「朝のほうが気持ちよかった」と「朝のほうが進んだ」は、しばしば一致しません。
この見方は、作業の見積もりを実測で補正する考え方と同じです。詳しくはタスクが終わらない原因を見積もりのズレから直す方法をご覧ください。
記録するときに使えるフォーマット
1週間ずつ試す、と書きましたが、記録の形が決まっていないと比べられません。
私が使っているのは、1日1行だけの形式です。
- 日付と時間帯……朝5時半〜7時、のように
- 進んだ量……何文字、何件、どこまで。数えられる単位で書きます
- 体感……◎○△の3段階だけ
この3つだけなら、記録に1分もかかりません。
大事なのは、体感と進んだ量を別々に書くことです。
朝がつらいと感じていても、実際には進んでいることがあります。逆に、夜のほうが調子がよいと感じていても、量は少ないこともあります。
原因を分けて考えます。感覚と実績は、しばしば一致しません。
1週間分がたまったら、時間帯ごとに進んだ量を合計して比べてください。
切り替えの途中で判断しない
時間帯を変えると、最初の数日は必ず調子が落ちます。
体が慣れていないので、当然の反応です。
ここで「やはり自分には合わない」と判断すると、正しく比べられません。
判断するのは、1週間分の記録が揃ってからにしてください。
最初の2日は、記録は取っても集計から外して構いません。
それくらいの余裕を持って見るほうが、実態に近い結果が出ます。
先に決めておくのは、いつ判断するかという日付です。
タイプ別の時間設計
結果が出たら、それに合わせて時間を組みます。
朝のほうが進む場合
朝は割り込みが入りにくく、まとまった時間を確保しやすいのが利点です。
- まとまった集中が要る工程(書く・作る)を朝に置く
- 夜は翌朝の準備だけにする(資料を開いておく、やることを1つ決める)
- 夜に作業を残さない。残すと就寝が遅れ、翌朝が崩れます
朝型の設計で最も重要なのは、前夜に判断を済ませておくことです。起きてから考え始めると、貴重な時間が判断で消えます。
夜のほうが進む場合
夜は1日の情報が頭に入っている状態なので、考える作業に向くことがあります。
- 帰宅後、食事と入浴を先に済ませてから始める
- 開始時刻を固定する(例:21時)。終了時刻も決めておく
- 終了時刻を過ぎたら、切りが悪くても止める
夜型の設計で崩れやすいのは終わりのほうです。先に決めておくのは、始める時刻より終える時刻です。
差がはっきり出ない場合
2週間試して差が見えないなら、時間帯は判断材料になりません。
その場合は、割り込みが入りにくいほうを選んでください。家族の生活時間、本業の連絡が来る時間帯から逆算すると決まります。
タイプ別のスケジュール例は副業と本業を両立する人のスケジュールの組み方に並べています。
週の中で時間帯を変える形もあります
朝か夜のどちらかに決めなければならない、と考える必要はありません。
平日は夜、休日は朝。この組み合わせで回している方も多くいらっしゃいます。
平日の朝が難しいのは、出勤時刻から逆算すると使える時間が限られるためです。
一方、休日の朝は制約が少なく、まとまった時間が取れます。
作業の種類で分けると、さらに噛み合います。
平日の夜は手を動かす作業、休日の朝は考える作業。この割り当てにすると、それぞれの時間帯の特性を活かせます。
先に決めておくと、その日になってから何をするか迷わずに済みます。
1週間ずつが難しい場合
1週間ずつ試す時間が取れないこともあります。
その場合は、3日ずつでも傾向は出ます。
ただし、平日と休日が混ざらないように、同じ曜日構成で比べてください。
平日3日と休日を含む3日では、条件が違いすぎます。
先に決めておくのは、どの曜日で測るかです。
切り替えるときの注意
夜型から朝型へ移すときに、必ず起きる問題があります。
睡眠を削って作らない
これがいちばん大事な注意点です。
いままで24時に寝ていた人が5時に起きようとすると、睡眠時間が減ります。作業時間は増えたように見えて、日中の本業のほうが落ちます。
朝を早める分だけ、夜を早く終える。この一組で動かす必要があります。片方だけ動かすと、数日で戻ります。
一度に大きく動かさない
2時間早めようとすると、体がついてきません。
目安としては、1回に動かす幅を30分までにして、1週間ほど同じ時刻で続けてから次を動かすあたりが無理のない速度です。この数字に根拠があるわけではないので、自分の様子を見て調整してみてください。
戻ってしまった日を失敗にしない
切り替えの途中で元に戻る日は必ずあります。
連続記録として数えていると、途切れた時点で全部やめたくなります。戻り方をあらかじめ決めておく考え方は副業の作業を習慣化する仕組みと、挫折したときの戻し方で扱っています。
生活の制約が強い場合の組み方
朝も夜も自由に選べる方は、実は多くありません。
小さなお子さんがいる、勤務時間が不規則、家族の生活音がある。こうした制約があると、時間帯の選択肢は限られます。
その場合は、時間帯を動かすのではなく、作業の種類を割り当て直すほうが現実的です。
- まとまった時間が取れない……考える作業を週末に寄せ、平日は手を動かす作業だけにする
- 時間が読めない……開始時刻ではなく「この作業が終わったら」で区切る
- 中断が入る……1回15分で完結する単位に割っておく
制約は変えられなくても、割り当ては変えられます。
先に決めておくと、その日の状況に合わせて選ぶだけで済みます。
時間帯より効く要素もあります
最後に、朝夜の議論より先に確認したい点を挙げておきます。
睡眠が足りているか
睡眠が不足している状態では、どの時間帯に置いても進みません。
時間帯を最適化する前に、まず眠れているかを確認してみてください。ここは削らないと先に決めておく部分です。
作業内容が決まっているか
何をやるかが曖昧なままだと、朝でも夜でも手が止まります。
着手時点の曖昧さについては集中が続かない人のための作業環境の整え方で詳しく書いています。
途中で結果が変わったとき
一度決めたあとも、生活が変われば適した時間帯は変わります。
季節でも変わります。日の出が遅い時期は、朝が起きにくくなる方が多いです。
ですから、半年に一度は測り直してみてください。
測り直すときは、また1週間ずつ試す必要はありません。
いまの時間帯で1週間だけ記録を取り、以前の記録と比べれば足ります。
進んだ量が落ちているようなら、組み直す時期に来ています。
逆に変わっていなければ、そのまま続けて構いません。
この確認を年に2回入れておくと、合わない形のまま無理を続けることがなくなります。
家族の生活時間との調整
時間帯を選ぶとき、自分の体調だけでは決められないことがあります。
同居の家族がいる場合、生活音や部屋の使い方が関わってくるためです。
朝を選ぶなら、起きる時間が家族の睡眠を妨げないか。
夜を選ぶなら、その時間に部屋を使えるか。
この確認を先にしておかないと、続けるうちに気を遣う時間になってしまいます。
相談するときは、何時から何時までを何のために使いたいかを具体的に伝えてください。
期間を区切って「まず1か月試したい」と言うほうが、了解を得やすくなります。
結果が出たら、周囲に伝えておく
時間帯を固定すると決めたら、家族や同居の方に伝えておいてください。
伝えていないと、その時間に用事を頼まれます。
予定として認識されている状態を作ることが、続けるうえで効きます。
季節による変化も見ておく
日照時間が変わると、起きやすさも変わります。
冬場に朝型を維持しようとして続かなくなる方は少なくありません。
季節で形を変えてよい、と先に決めておいてください。
夏は朝、冬は夜。この切り替えを想定しておけば、続かないことを失敗と感じずに済みます。
記録が2週間分たまったら、いったん結論を出してください。
迷い続けるより、決めて動かすほうが前に進みます。
合わなければ、次の見直しで変えれば済む話です。
まとめ:自分の記録で決める
判断の順番だけ、もう一度並べます。
どちらが優れているかは決めません。2週間の実測で、同じ種類の作業を朝と夜に置いて、進んだ量で比べる。
差が出なければ割り込みの少ないほうを選ぶ。これが現実的な手順です。
切り替えるときは、朝を早める分だけ夜を早く終える。片方だけ動かすと、数日で元に戻ります。
今週は作業のたびに、開始時刻と「今日どこまで進んだか」を1行だけ書き残す。
比べる材料は、それだけで作れます。決めるのは2週間分たまってから。
それまでは判断を保留にしておいて構いません。
