若手Webマーケター/SNSグロースプランナーの早瀬優人です。
「AIを使えば作業が速くなる」とよく言われますが、導入したのにあまり変わらないという声も同じくらい耳にします。
僕も最初はツールを増やすほど速くなると思っていて、指示を書き直す時間ばかりが伸びて、結局自分で書いたほうが早かったという時期がありました。実際のところ、その差は使うツールではなく、どの工程に当てているかで決まります。
この記事では、副業の作業時間を短くするための手順を、工程の分け方から組み込み方までを順に追って整理していきます。
ステップ1:まず現状を測る
ここを飛ばして導入に進む人が多いのですが、測っていないと効果があったのかどうかも分かりません。
1週間、作業時間を記録する
いきなりAIを導入する前に、いまの作業に何時間かかっているかを1週間だけ記録してみてください。
道具はスマホのメモでかまわず、案件ごとに「開始時刻」と「終了時刻」を書き足していくだけです。
この記録がないと、AIを入れて速くなったのか、たまたま楽な案件だったのかを区別できません。
工程ごとに分けて記録する
全体の時間だけを見ても原因は分からないので、工程ごとに分けて記録してみてください。
記事執筆なら、「調べる」「構成を決める」「書く」「直す」「整える」といった分け方になります。
ここまで細かくすると、自分がどこで時間を使っているのかがはっきり見えてきます。
記録の付け方を具体的に
作業時間を測る、と書きましたが、細かく記録しようとすると続きません。
僕がすすめているのは、開始と終了の時刻だけをメモに残す方法です。
ストップウォッチのような正確さは要りません。5分単位で足ります。
記録する項目は3つだけにしてください。
- 日付
- 工程名(調べる・作る・直す・整える のどれか)
- かかった時間
1週間分がたまると、どの工程に時間が集中しているかが数字で見えてきます。
ここで多くの方が意外に思うのが、「作る」より「直す」と「整える」の合計のほうが長いという結果です。
その場合、下書きを速くしても全体は縮みません。当てる場所が違うことになります。
ステップ2:工程を4つに分類する
1週間ぶんを記録できたら、それぞれの工程を次の4種類に振り分けていきます。
調べる・作る・直す・整える
- 調べる……情報を集める、事実を確認する
- 作る……ゼロから形にする、下書きを書く
- 直す……誤りを見つけて修正する、品質を上げる
- 整える……体裁を揃える、形式を変換する
そしてもうひとつ、この4つとは別に「決める」という工程があり、何を書くか、どの案を採用するか、どこで妥協するかを判断する時間がこれに当たります。
効く工程は、仕事の種類で変わる
ここまで一般的な話をしてきましたが、効く場所は仕事の種類によって違います。
いくつか例を挙げておきます。
- 記事の執筆……構成の案出しと、書いたあとの表記統一が効きます。本文そのものは修正が増えがちです
- 資料作成……文言の候補出しと、体裁の統一が効きます。伝える順番の設計は自分でやるほうが早いです
- データの整理……形式の変換が効きます。数値の計算そのものは任せません
- 問い合わせ対応……返信の下書きが効きます。ただし送る前に必ず読み直します
共通しているのは、判断ではなく変換に近い工程ほど効きやすい、という点です。
自分の仕事を「判断」と「変換」に分けてみると、当てる場所が見えてきます。
ステップ3:AIが効く工程に当てる
分類ができたら、そのうちどこにAIを入れるのかを決めていきます。
効きやすいのは「整える」と「作る(下書き)」
形式の変換や体裁の統一はAIが最も得意な領域で、表を作ったり箇条書きに直したり文体を揃えたりする作業は大きく短縮できます。
下書きの作成にも効きますが、これは白紙から書き始める負担がなくなるためです。
AIが効くのは「整える」と「下書きを作る」。効かないのは「決める」です。
効きにくいのは「決める」と「直す」
何を採用するかの判断は人が担うところで、ここまで任せてしまうと納品物の方向性がぶれていきます。
「直す」のほうも、誤りに気づけるのは結局自分だけで、AIに直させたとしても、その修正が正しいかを確認する工程は残ります。
この線引きについてはAIに任せられる仕事・任せられない仕事の見分け方で詳しく整理しています。
「調べる」は条件つき
調べる工程については、自分で正しさを判断できる分野に限れば使っていけます。
逆に、詳しくない分野で調べ物をAIに任せると、誤った情報に気づけません。この場合は公的なサイトや一次情報を自分で当たったほうが結果的に速いです。
たとえば税や制度の話なら所管する官公庁のページ、職業の情報なら厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)といった具合に、根拠にあたる先を決めておくと迷いません。
指示を資産として残す
時間短縮がいちばん効いてくるのは、うまくいった指示を使い回せるようになってからです。
毎回ゼロから指示を書いていると、その時間が短縮分を打ち消してしまいます。
保存するときは、指示文だけでなく次の3つを添えておいてください。
- どの工程で使ったか……後から探すときの手がかりになります
- そのとき得られた出力の要点……期待した結果が出たかどうかの記録
- 修正が必要だった箇所……次に使うとき、そこを先に直せます
保存先は、テキストファイルでもメモアプリでも構いません。
探せる状態にあることのほうが、整った形式より大事です。
数が増えてきたら、工程名で見出しを付けて並べ替えると使いやすくなります。
ステップ4:組み込んで、また測る
順番として、ここまで来て初めて実際の作業に入ります。
1工程ずつ変える
いきなり全部の工程を変えてしまうと、何が効いて何が効かなかったのかが分からなくなります。
まず「整える」だけをAIに任せて1週間続けて時間を測り、効果があれば次の工程へ進む、という順で回してください。
効果を数字で確認する
1周したら、ステップ1で記録した時間と並べて比べてみます。
短縮できた工程と変わらなかった工程が見えてくるので、変わらなかった工程については、無理にAIを使い続けない判断も必要になります。
作業効率が上がると、受けられる案件の幅も広がります。
登録は無料でできるので、どんな条件の募集があるかを見てみてください。
工程別に、どこがどれくらい縮むか
実際にAIを当てたとき、工程によって効き方がはっきり違います。
- 整える……形式の変換、表記の統一、体裁の調整。指示が明確なので効きやすい工程です
- 作る(下書き)……ゼロから書き出す時間は縮みます。ただし修正の時間が増えることがあります
- 調べる……当たりを付けるには使えますが、そのまま採用はできません。裏取りの工程が別に要ります
- 直す……ほとんど縮みません。何を直すべきかの判断が中心だからです
合計で見たときに縮んでいるかどうかを確認せずに、「作る」だけを速くして満足してしまうのがよくある失敗です。
導入前と導入後で、同じ種類の作業を1件ずつ測って比べてみてください。
よくある失敗
ここでつまずく人が多いパターンを、4つに分けて挙げておきます。
失敗1:指示を出すのに時間がかかる
細かく指示を書き直しているうちに、結局自分で書いたほうが早かった、というケースです。
短い文章や、自分の中で型が決まっている作業は、そのまま書いてしまったほうが速いことがあります。
指示に3回以上手を入れているようなら、その作業はAI向きではないと判断してください。
失敗2:確認に時間がかかる
出力が早く出てきても、それが正しいかを確認する時間が長ければ、全体として見れば短縮になりません。
確認にかかる時間まで含めて、初めて効果を測ったことになります。
失敗3:品質が下がって修正が増える
速く納品できたとしても、そのあとの修正依頼が増えれば、結局同じだけ時間を使うことになります。
短縮できた時間の一部は、はじめから確認の工程に戻すつもりでいたほうが安定します。
失敗4:ツール探しに時間を使う
新しいツールを試すこと自体が目的になってしまい、作業が進まなくなるパターンです。
いま使っているもので工程が回っているなら、無理に本数を増やす必要はありません。
短縮した時間をどう使うか
最後に、工程を短縮できたあとの話をしておきます。
時間が空いたときに案件数を増やすのは自然な発想ですが、それだけだと収入は作業量に比例したままになります。
空いた時間の一部を、単価の高い仕事に必要なスキルを身につけることに回すと、その先が変わってきます。
学び方の順序は未経験からAI活用スキルを身につける学習ロードマップで整理しています。
短縮できなかったときの見直し方
測ってみたら、かえって時間が増えていた。これも珍しくありません。
その場合、原因はたいてい次の3つのどれかです。
1つ目は、指示を書く時間が長くなっているケース。うまくいった指示を保存して使い回す形にすると解消します。
2つ目は、確認に時間がかかっているケースです。任せる範囲が、自分の検証できる範囲を超えている可能性があります。
3つ目は、出力の品質が安定せず、直しが増えているケースですね。
この場合は、工程をさらに小さく割って、一度に任せる量を減らすと安定します。
いずれの原因でも、当てる工程を変えるだけで結果が変わることが多いので、AIそのものを諦める前に工程を疑ってみてください。
短縮を続けるための見直しの周期
一度組んだ工程も、案件の種類が変われば合わなくなります。
僕は3か月に一度、同じ手順で測り直すようにしています。
やることは最初と同じで、1週間だけ工程ごとの時間を記録するだけです。
ここで見たいのは、前回と比べてどの工程が伸びているかになります。
伸びている工程があれば、そこに新しい作業が紛れ込んでいる可能性が高いです。
たとえば確認の工程が伸びているなら、任せる範囲が広がりすぎているサインですね。
逆に、どの工程も変わっていないなら、いまの形が安定しているということになります。
その場合は次の短縮先を探すより、空いた時間を別の案件に当てるほうが効果が出ます。
短縮できた時間を何に使うか
時間が浮いたあと、その分だけ案件を増やす方が多いです。
それ自体は間違いではありませんが、増やす前に一度考えておきたいことがあります。
浮いた時間を同じ種類の作業に当てると、単価はそのままで作業量だけが増えます。
一方、確認の工程や、前後の工程を引き受ける準備に当てると、単価そのものが動く可能性があります。
短縮の目的を「多くこなす」に置くか「引き受けられる範囲を広げる」に置くかで、半年後の状態が変わってきます。
どちらが正しいというものではありません。
ただ、意識せずに前者を選び続けると、忙しさだけが増えていくことになります。
測ること自体が負担になったら
記録が続かない、という声もよく聞きます。
その場合は、毎日測るのをやめて構いません。
月に1週間だけ、と決めてしまうほうが続きます。
目的は正確な数字を集めることではなく、どの工程に時間が寄っているかを知ることだからです。
週単位の傾向が分かれば、判断には十分足ります。
それも難しいときは、1日の終わりに「今日いちばん時間を使った工程」を一言メモするだけでも構いません。
まとめ:測って、分けて、効く工程だけに使う
AIで作業時間を短くする手順を整理してきました。
順番としては、まず現状の作業時間を測り、次に工程を「調べる・作る・直す・整える・決める」に分けたうえで、AIが効く工程だけに当て、最後に組み込んでもう一度測る、という4ステップになります。
どれだけ短縮できるかは、作業の種類とその人の慣れによって変わります。数字を約束するものではなく、自分の工程で測って確かめてください。
手をつけるのは、今週の作業時間を工程ごとに書き留めるところまでで十分です。
AI副業の全体像は生成AIでできる副業10種類と、それぞれに必要なスキルにまとめています。
