副業をしたい人で株式投資を考えている人も多いのではないでしょうか。
株式投資は副業ではなく資産運用という位置づけのため、副業が禁止されている正社員や公務員でも問題なく行うことができます。
でも株式投資ってたくさんの資金が必要なイメージがありますよね。
実際に株式投資で稼ぐには軍資金がいくら必要なのかをご紹介していきます。
この記事を読むことで
- 株式投資で得られる利益にはどのようなものがあるのか
- 株式投資で利益を出すのは最低いくら必要か
- 初期費用が少ない人が株式投資で利益を上げるにはどうしたらよいか
- 最低数千円で始められる株式投資について
がわかります。
株式投資に興味がある人、株式投資で稼ぎたいけどいくら用意したらいいかわからない人はぜひ読んでみてください。
株式投資とは
まずは株式投資がどのようなものなのかを解説していきます。
株とは、企業が資金を調達するために株券を発行し、その株券を購入してくれた人(株主)に対して会社の利益を配当金として分配したり、株主優待というサービスを提供することです。
株主から資金調達をした企業は株式会社と呼ばれ、株主は会社の経営に参加する権利、配当金を受け取る権利を持ちます。
株式投資で受け取れる利益
株主が株式投資で受け取れる利益には3つの種類があります。
- 配当金(インカムゲイン)
- 株主優待
- 値上がり益(キャピタルゲイン)
1つ1つを詳しく解説していきます。
配当金(インカムゲイン)
株式会社が会社として利益が出た場合、それを株主に分配します。
それが配当金(インカムゲイン)と呼ばれるものです。
この配当金は企業の業績によって変化するもので、業績が極端に悪い場合は無配当(0円)ということもありますが、業績が好調であれば配当金が増えていきます。
この配当金は、株を購入した数量によって決まるため、株を多く買った株主には多くの配当金が分配されることになります。
すべての企業が配当金を出しているわけではないため、事前にしっかりと調べておきましょう。
そして配当金はあくまで企業の業績によって左右されるものであり、無配当になるリスクがあるということも覚えておきましょう。
配当金はいくらもらえるのか
ではいったいどのくらいの配当金が貰えるのでしょうか。
配当金がどのくらいもらえるのかを知りたい場合は『配当利回り』という指標を参考にします。
配当利回りの算出は、1株あたりの配当金がいくらになったかで計算されます。
例えば、1株1万円の会社で配当金が100円だった場合は、100(円)÷10000(円)×100%=1%、つまり配当利回りが1%ということになります。
日本取引所が毎月公開している東証一部上場企業の平均利回りは約2%を安定して推移しています。
つまり1株10000円の会社の場合200円が配当金として受け取れることになります。
今現在、銀行の定期預金は0.01~0.2%というごくごくわずかな数値です。
定期預金と比べると株式投資の配当利回り2%前後というのはとても高い値だというのがわかると思います。
定期預金に預けるのであれば、株式投資を行ない配当金をもらうという選択肢もおすすめですよ。
配当金はいつもらえるのか
配当金が貰えるのは株を買ってすぐではありません。
配当金をもらう対象となるのは、会社によって違いますが『権利確定日』に株を保有していることが条件となります。
権利確定日とは、この日に株を保有している人に配当するよ~という基準日のようなものです。
権利確定日は、多くの企業で年に1回もしくは半期に1回定められており、一部上場企業の多くは決算月の3月や9月が権利確定月、最終営業日が権利確定日となります。
3月が権利確定月となっている場合は3月31日が権利確定日、9月の場合は9月30日となります。
しかしこの権利確定日に株を買えばいいのかといえばそうではなく、権利確定日の3営業日前にあたる『権利付き最終日』に株を保有していなくてはいけません。
この理由として、購入してから正式な株主として株主名簿に記載されるのは3営業日かかるためです。
権利確定日に株主名簿に名前が載っていなくてはいけないため、その3営業日前に株主になっている必要があるということですね。
権利確定月、権利確定日がいつになるかは企業によって変わってくるため、気になる企業があった場合は事前に調べておきましょう。
そして配当金を実際に受け取ることができるのは、権利確定日から2~3カ月後という企業が多いようです。
3月末が権利確定日だった場合は5月~6月、9月だった場合は11月~12月となります。
株主優待
株主になる理由の1つとなるほど、株主優待に期待している人が増えてきています。
株主優待は、株を購入してくれた人に独自のサービスや特典を提供することで、多くの株主を募ることが目的とされています。
株主優待の具体例として、大手スーパーでは3%引きのお買い物券、大手外食チェーンでは3000円分のお食事券、大手航空会社では搭乗50パーセント割引券などとなっています。
株主優待を受けるには
この株主優待、会社によって何株以上保有している場合にもらえるという決まりがあります。
この下で詳しく解説しますが、株の購入単位は100株からとなっており、1株を持っていても株主配当を受けることはできません。
最低100株、それ以上は保有している株数によってお食事券の枚数が違ったり、割引金額が違ったりというように差がつけられています。
つまり、1株1000円の株だった場合は100株、つまり10万円の資金が必要だということになります。
株主優待を楽しむためには10万円以上のまとまった資金が必要です。
ただし、株主優待を配布している企業のうち約23パーセントは10万円以下の資金で購入ができるとされているため、少額から楽しめる株主優待を調べてみるのもおすすめです。
株主優待はいつもらえるのか
株主優待をもらうためには、基準日とされる日に規定の保有数を持っている必要があります。
実はその基準日は、先ほど配当金で解説した『権利確定日』と同日になります。
権利確定日は配当金、株主優待の両方を受け取るための基準となっています。
権利確定日に配当金、株主優待が貰えるか判断されるため、その3営業日前の権利付き最終日に株主になっておきましょう。
権利確定日は企業によってバラバラなので、株主優待を確実に受け取るためにも気になる企業の権利確定日は前もって調べておきましょう。
また、株主優待が実際に手元に届くのも配当金が支払われるのとほぼ同時とされており、権利確定日の2~3カ月後としている企業が多いです。
忘れたころに株主優待が手元に届く楽しみもありますね。
値上がり益(インカムゲイン)
株式投資を行なう上で1番大きな利益を狙えるのがこの値上がり益で稼ぐという方法です。
これは刻一刻と変わる株価の値動きを利用して売買益を獲得するものです。
いわゆるトレードと言われるもので、買った時よりも高く売るを繰り返し利益を上げていきます。
日本の株式市場の取引時間は平日の9時~15時となっており、働いている人にとってはトレードをするのが難しいこともあります。
しかしスマートフォンで取引ができるようになっていたり、仕事が終わった夜に注文を出しておくという工夫をするなど、働いている人で平日昼間にパソコンを見るのが難しい人もトレードをする人が増えています。
株で稼ぐにはいくら必要か
株で得られる利益の種類がわかったところで、実際に株で利益を上げるにはいくらの軍資金が必要になるのかを解説していきたいと思います。
株は1株単位での購入ができない
実は1株あたりの値段はそれほど高額ではありません。
1株100円~5000円程度が大半を占めています。
しかし、基本的に株は1株での購入ができず、多くは100株単位での購入が必要となっています。
1株100円の株を100株買うと1万円、5000円の株を100株買うと50万円もの資金が最低限必要になります。
1万円から買えるものもあるにはありますがそれほど種類も多くありません。
自分の好きな会社の株を買うためには最低10万円は用意しておきたいところです。
個人投資家の平均初期投資額は30万円
他の人の初期投資額ってちょっと気になりますよね。
個人投資家の平均初期投資額は30万円程度と言われています。
最低10万円、できれば30万円の資金があれば多くの銘柄の中から選ぶことができるため、十分株取引で利益を出すことが可能です。
しかし、初期投資額が多ければ多いほどたくさんの銘柄の中から選ぶことができ、利益も出しやすくなるのは間違いありません。
最低10万円~30万円、それ以上は無理のない範囲で用意できるといいですね。
少ない資金で利益を出すために
10万円~30万円の資金で効率よく利益を出す方法は、ずばり短期売買を繰り返し値上がり益(インカムゲイン)を狙っていく方法です。
少し値上がりしたら決済をして利益確定、また新しい株を購入して利益確定を少しずつ繰り返しコツコツと資金を増やしていきましょう。
短期売買をすることでさほど経済情勢にも左右されずに取引を行なうこともできますよ。
配当金はどうしても少ない資金だとあまり恩恵を感じることが難しいため、資金が少ないうちは値上がり益を目的にトレードを行ないましょう。
そしてコツコツを利益を積み重ねることができたら、配当金も利益の一部となるように長期目線のトレードにシフトしていくのがおすすめです。
株式投資は余剰資金で
なんとしても稼ぎたい!株式投資を行ないたい!
そのような気持ちから生活資金や借金をしてトレードをしようと考えている人はいませんか?
稼いで返済すればいいや!稼げれば何の問題もない!などという気持ちで株式投資を行なうことは絶対にやめてください。
余裕のないトレードをすると焦りで損失ばかり膨らんでしまう恐れもあります。
生活をよくするためにやっている投資が逆に生活を圧迫してしまうことにもなりかねません。
株式投資は仮になくなっても困らない資金で、なくなっても困らない金額で行なうようにしてください。
1株から購入できるミニ株
先ほど株式投資は100株単位で行なうのが一般的ということは説明しましたが、1株から購入できる『ミニ株』という金融商品も登場しています。
このミニ株は証券会社が独自に発売しているもので、手数料や取引時間も証券会社によってさまざまです。
また、ミニ株そのものを取り扱っている証券会社も限られているため、必ずミニ株の取り扱いをしているか証券会社に確認しておきましょう。
ミニ株のメリット
ミニ株のメリットは以下の通りです。
- 少額投資が可能
- リスク分散ができる
ミニ株の1番のメリットは、必要となる初期投資額が少ないということです。
ミニ株であれば30万円もの初期投資は必要なく、1株数百円~数千円で投資をスタートさせることができます。
また、投資額も少ないため損失も少なくて済むことも大きなメリットでしょう。
そして少ない株数から購入することは、多くの銘柄を持つことができるためリスク分散にもつながります。
少ない投資額で損失も少なくしたいという人にミニ株はぴったりの金融商品といえるでしょう。
ミニ株のデメリット
ミニ株のデメリットは以下の通りです。
- 手数料が割高
- 取り扱いの銘柄が限定的
- 売買タイミングに制限がある
- 株主優待が受けられない
まずは手数料が割高ということはミニ株をやる前にしっかりと考えておきたいデメリットです。
ミニ株は購入単価が低いため、投資金額に対して手数料が占める割合が大きくなります。
手数料は証券会社や購入金額によって差はありますが、最低50円~1000円を超えるものまでさまざまです。
証券会社に必ず確認しておきましょう。
また、ミニ株として購入できる銘柄が限られているというのもデメリットの1つです。
目当ての銘柄が購入できないということもあるので、この株上がりそうだと目を付けても購入できないこともあります。
こちらも必ず証券会社に確認しておきたいポイントの1つです。
そしてミニ株は通常の売買とは異なり、欲しい値段で購入するという指値注文ができません。
欲しいこの値段になったら買うというのは株式投資で利益を出すための大きなポイントとなりますが、ミニ株は取引注文日翌日の株価で売買が成立します。
通常の売買とは大きなタイムラグがあるため、思ってもみない価格で注文となってしまう可能性も十分に考えられます。
欲しい値段で注文できないというのはミニ株の大きなデメリットです。
さらに株主優待は最低購入株数が定められていることから、ミニ株購入者は株主優待の対象外となります。
株主優待を楽しむという株式投資はミニ株では味わえません。
ミニ株は株式投資の練習におすすめ
1株から購入できて初期投資額が少なくて済むミニ株ですが、欲しい株価で購入することができないこと、高い手数料がかかることなどからメインでの株式投資ではなく、株式投資の練習として始めることがおすすめです。
初期投資が少なくリスクも低いため、株式投資がどんなものかを理解したり、経験を積むのには最適な投資方法だといえるでしょう。
まとめ
株式投資は10万円~30万円の初期投資額があれば、株取引をして利益を出すことが十分に可能です。
また、その資金で株式投資を行なえば、値上がり益のほかにも配当金や株主優待という恩恵も受けることができ、株式投資を十分に楽しむことができます。
1株から株式投資をして株に慣れたいという人、10万円も株に投資するのは抵抗があるという人はミニ株に挑戦してみるのもおすすめです。
そして何よりも重要なのは、株式投資は最悪なくなってもいい余剰資金で行なうということです。
生活費をつぎ込んだり、借金をして株式投資を行なうことは絶対にやめましょう。
生活を豊かにするための株式投資です。
ゆったりとした余裕を持って楽しんでください。