本業として仕事をしていてもさまざまな理由により副業をしている人、または本業でフリーランス活動をしている人は増えてきていますよね。
一般的な企業に勤めている場合は確定申告は会社で行ってくれますが、副業の分の確定申告は自分でやらなければいけません。
しかし、面倒くさいとかよくわからないから、といった理由で気にしていない人も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では副業をしている人やフリーランス活動をしている人の確定申告についてご紹介します。
そもそも確定申告って何?
確定申告とは1年間の収入やかかった経費などを申告し、所得額に応じた税金を納めるために行う申告です。収入はそのまま所得にはなりません。
経費を差し引いた分が所得になります。経費は仕事で使用するものが当てはまりますが、自宅で仕事をしている場合、通信費や光熱費、家賃の一部などが経費になります。
どのくらいのスペースでそのくらいの時間仕事に使っているかによりますので、自分で計算をしてみるとよいでしょう。
計算をしたものは証拠になるため捨てずに保管しておきましょう。確定申告は副業で収入を得ている全ての人が行わなければいけないわけではなく、条件にあてはまった人のみが対象になります。
では、どのような方が確定申告を行う必要があるのでしょうか?
所得が20万円を超えた場合
副業あるいはフリーランスの活動で収入を得ている人が確定申告の必要がある基準に、「所得が20万円を超える」ことがあります。
逆に言えば所得が20万円以下であれば、確定申告の必要はありません。
ただし、これはサラリーマンなど企業で年末調整をしているため確定申告を自分で行う必要がない場合のみです。
例えば医療費控除などで確定申告をする必要がある場合は所得が20万円以下でも確定申告をしなければいけません。
もしも確定申告をしなかったらどうなる?
確定申告をしていなかったことが税務署にバレてしまうと「無申告加算税」が課されます。
その場合、本来収めなければならなかった税額に最大で40%(どのくらい加算されるかは悪質度合いによります)が加算されます。
バレなければよい、と安易に考えている人もいるかもしれませんが、税務署を甘く見てはいけません。
得た所得はきちんと確定申告を行うようにしましょう。
確定申告の種類
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。
この2つは特徴が異なるため、自分に合ったほうを選択して確定申告をする必要があります。では、白色申告と青色申告にはどのような違いがあるのでしょうか?
青色申告とは
青色申告をすると、最大で65万円の特別控除が適用される(2020年以降は55万円に引き下げ)、経費にできる消耗品の費用が10万円未満から30万円未満に拡充されるといった特徴があります。
所得が控除される事により税金も安くなるため、副業の方の確定申告は青色申告の方がおすすめです。
ただし、この控除を受けるためには副業の所得区分が「事業所得」であることが条件です。
事業所得に当てはまるものは、副業で言うと、アフィリエイト、せどり、クラウドソーシング、ハンドメイド商品の販売、Youtuberなどです。
フリーランスで活動する場合は、報酬として得た収入はほぼ全て事業所得として計上できます。
事業所得にするためには開業届けを税務署に提出する必要がありますが、本業の企業を退社しても失業保険を受け取ることができなくなる可能性が高くなってしまいます。
また、開業届けを出すと収入が20万以下であっても青色申告を提出する必要が出てきます。
その場合、赤字であっても最大3年間の赤字を繰り越して計上することが可能です。
開業届けを出さない場合は、「事業所得」ではなく「雑所得」扱いになるため、青色申告の対象外になります。
ちなみにFXや株、仮想通貨などの取引は雑所得になるため、青色申告をすることはできません。
青色申告をする場合、確定申告をする年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請手続」を税務署に提出しておくことが必要です。
青色申告をする場合は、確定申告書Bと帳簿を複式簿記や損益計算書(貸借対照表)などを元に青色申告決算書を提出する必要があるため、簿記の知識が無く自力で確定申告をやりたい方にはハードルが高いかもしれません。
・白色申告とは
青色申告のように控除などの利点はありませんが、大まかな経費の記載で済むなど手間があまりかからない方法で、簡単に確定申告を済ませる事ができます。
青色申告の条件に当てはまらない方は白色申告をするとよいでしょう。
白色申告では確定申告書Bと収支内訳書の提出の必要があります。
確定申告の提出方法
確定申告の申請は毎年2月中旬~3月中旬までに行わなければいけません。
特にこの時期は税務署が混みあうため、直接確定申告書を提出しにいく場合は時間に余裕を持つ必要があります。
また、直接税務署に向かわずに郵送することも可能です。
確定申告の書類は税務署にもありますが、国税庁のホームページからプリントアウトしたり、確定申告用のソフトを使って作成することが可能です。
e-taxという「国税電子申告・納税システム」を使って自宅から申告することもできます。
その場合、マイナンバーカードがあると便利です。
マイナンバーカードは通知カードと顔写真があればパソコンやスマートフォンからも簡単に申請ができますが、カード自体は本人確認の書類を持参して役所に取りに行かなければなりません。
マイナンバーカードを作る際には「署名用の電子証明書」を忘れずに付けるようにしましょう。
マイナンバーカードについている電子証明書を読むためのICカードリーダーも必要になります。
そうすることでIDやパスワードが無くてもe-taxを利用することができます。
マイナンバーカードが無くてもe-taxを利用することができますが、その場合税務署でe-taxの開始届出書を提出し、IDとパスワードを受け取らなければなりません。
まとめ
副業を始めたら必ず収支をつけることを忘れないようにしましょう。
収入の金額にもよりますが、会計ソフトなど専用のソフトを利用したほうが簡単に確定申告をすることができます。
収入をわかりやすくするために口座を別に作ることもおすすめです。
今はまだ大丈夫、と思っていてもあっという間に確定申告の時期になることがありますので、日頃から準備をしておくことが大切です。