投資といえば、多くの人がまず思い浮かべるのは金融商品を使っての長期的な積み立てでしょう。
しかし、投資の魅力は長期資産の形成だけではありません。
インターネットに接続されたパソコンやスマートフォンを使って、誰でも自宅で短期売買を行うことができるんです。
数分、数時間で結果を出すデイトレーダーに興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、デイトレーダーになる前に考えておきたい資金や収入、ライフスタイルについて解説していきたいと思います。
デイトレーダーとは？
株やFXなどの金融商品の取引には、いくつかのスタイルがあります。
その中の一つが、1日で取引を完結させるデイトレードです。
株などの金融商品を売買したら、その日のうちに手仕舞います。
翌日に持ち越されることはありません。
デイトレードにおいて、数秒～数分でトレードを完結させる方法をスキャルピングと言います。
また、数日間ポジションを保有することを「スイングトレード」、数ヶ月以上ポジションを保有するトレードを「ポジショントレード」と分類しています。
そしてデイトレーダーはスキャルピングやデイトレードのような１日で完結するトレード手法で稼いでいる人のことを指すんです。
デイトレードでは、簡単に売買ができる流動性の高い金融商品を取り扱います。
例えば、上場株式、FX（外国為替証拠金取引）、CFD（差金決済取引）、株価指数先物取引などが主流ですが、最近では仮想通貨もデイトレードで扱えるようになっています
。
デイトレードのメリットとしてまず最初に挙げられるのは、資金効率の良さです。
少額の資金でも、繰り返し取引をすることで利益を積み上げることができます。
長期保有では、何度も値上がりしたり値下がりしたりしても売買時の商品の価格差でしか利益を上げられませんが、デイトレードでは、細かな価格の変動でも利益を上げることができます。
また、ポジションを持ち越すリスクが少ないのもメリットの一つです。トレード後にポジションを持っていなければ、知らない間に急激な相場の変動に巻き込まれることを防ぐことができるんです。
デイトレーダーの収入
デイトレーダーの収入は様々で、1年間で何億円もの利益を出してはしゃぐデイトレーダーもいれば、継続的に損失を出し続けて市場から撤退する人もいることを意味しています。
それぞれの資金量とトレード能力によって収入は増減します。
1ヶ月で20％の利益を出すトレーダーであれば、資本金100万円では20万円の利益を出すことになりますし、1億円の資本金では2000万円の利益を出せるということになります。
デイトレーダーに必要なのは、値動きを予測する能力です。
値動きを示すチャートやそれを分析するテクニカル指標をどれだけ理解しているかで、収入にも差が出てきます。
もちろんデイトレーダーになったからといって、常に利益を出し続けられるわけではありません。
利益が出ることもあれば損をすることもあります。
デイトレーダーとしてずっと稼ぎ続けられているのは1割程度と言われています。
この数字を多いと捉えるか少ないと捉えるか、捉え方は人それぞれだと思います。
専業トレーダーを目指すならともかく、副業としてデイトレーダーになる程度であれば、一度失敗しても再挑戦するための資金を再度貯めることは難しくないでしょう。
トレーダーの仕事とライフスタイル
デイトレーダーは、相場の値動きを見ながら取引を行います。
市場が開いている時間によって生活のリズムが左右されます。
例えば日本株の場合は、市場が開いている時間は午前9時から午後3時までです。
この間は取引に集中し、残りの時間を情報収集や収支の確認に充てることになります。
この他にも、24時間取引が可能なドル円取引、仮想通貨取引や、夜間に集中して取引ができる日経225先物取引など、種類によってエントリーできるタイミングは異なります。
専業のデイトレーダーであれば、昼間の時間を利用して睡眠時間を確保し、夜は海外市場に集中することができるでしょう。
日中に仕事をしている場合は、夜の数時間を副業としてデイトレードをするという選択肢もあります。
どれくらいの資金が必要なのか？
デイトレーダーを始めるためにどれくらいのお金が必要なのかは、使える時間や能力、目標金額によって異なります。
例えば、フルタイムのトレーダーとして働ける環境にあるして考えてみましょう。
年収500万円が目標だと仮定してみますと、資本金が1,000万円あればトレードを繰り返して1年で50％、100万円あれば500％、10万円あれば5,000％、つまり50倍の利益を出す必要があるということです。
手持ちの資金から目標金額まで、限られた時間でどのように増やしていくのかを探っていく必要があります。
副業としてのデイトレードは？
様々な調査によると、副業全般の月収は1万円～5万円以下という人が多いようです。
仮にあなたの目標年収が100万円だとしますと、1000万円あれば年間で10%の利益を積み上げれば達成できるということになります。
目標を立てて計画を立てることで、自分にどれくらいの資金が必要なのかがわかるようになります。
税金はどのようにかかるのか？
トレードで得た利益は当然、税金がかかるため確定申告をしなければなりません。
株式やFXの場合税率は所得の大小に関わらず20％（現在は復興特別所得税を含めて20.315％）です。
税率は所得の大きさに関係なく20％（復興特別所得税を含む20.315％）で、その年の損益の合計額に税率を掛けて計算します。
株式の売却益は「分離課税（譲渡所得）」として課税されます。
また仮想通貨にかかる税金は現行の税制では「雑所得」という項目で課税されています。
株式に限っては証券会社で特別口座を開設して「源泉徴収あり口座」で取引すれば、確定申告の必要はありません。
何度も取引をしていると、利益が出たり赤字になったりすることがありますが、赤字になった場合は損益として認識され、すでに源泉徴収されている金額から自動的に税金が還付されます。
このようにデイトレードを始めるときは、住宅資金を考えるときと同じように、目標を立てて資金を準備する計画を立てます。
デイトレードの始め方
デイトレードの種類や税金について、様々な情報をお伝えしてきました。これらの情報を踏まえた上で、ここではデイトレードの始め方を簡単にご紹介します。
トレード環境を整える
デイトレードを始める上で必ず必要なのは、パソコン環境を整えることです。
短期間で情報収集や分析を行う必要があるため、モニターを2～3台以上用意しましょう。
またWi-Fi環境も整えて回線速度もそれなりのものを用意しておくことがお勧めです。
トレードルールを決める
デイトレードの種類によって取引時間が異なるため、まずは取引時間を決める必要があります。
また、リスクの高い投資なので、売買のタイミングについてもしっかりとルールを決めておく必要があります。
証券口座を開設する
投資を始めるには、証券会社の口座は必須です。
証券口座を開設し、そこで金融商品を実際にトレードを行っていくのです。
トレードを行う
実際にトレードを
振り返り
トレーダーにとって最も重要なステップです。
収支や勝率はどのくらいかというようなトレード結果の算出だけでなく、勝因や敗因は何だったのかなどを探っていきます。
この振り返りをすることで、勝率をあげたり、損失を押さえたり新柄利益を伸ばしていくのが可能になっていくんです。
まとめ
デイトレーダーとして利益を出し続けるためには、値動きを予測する知識と経験が必要です。
資金準備と並行して、これらの知識や経験を勉強や実践で身につけていきます。
専業でも副業でも成功すれば、デイトレードは新たな収入源になる可能性があります。
最初のうちは少額からトレードをしてみて資金を作りつつ、値動きの見極めに自信がついたら資金を多く入れて運用するというような始め方がお勧めです。
損をしてしまうリスクはありますが、逆にこれ以上稼げる方法もないため、資金に多少の余裕があり、トレードの知識を増やす意欲がある方にはこの上ない稼ぎ方になるでしょう。