引っ越しには大金がかかります。できることならばこの費用を何とか節約したいものですよね。
20~50代までの男女361人を対象に実施したアンケートによれば、「引っ越しに5~10万円かかった」という人が最も多く、全体の4割を占める結果になりました。
引っ越し費用は荷物の量や移動距離によっても変動しますが、もしも数万円でも数千円でも浮かせることができたら、新居にぴったりなオシャレなインテリアの1つ2つ買えますよね。
そこで今回の記事では、引っ越し費用の相場や節約するための方法などをくわしく解説します。
引っ越しにかかる費用相場
そもそも、引っ越しにかかる費用の相場はいくらくらいなのでしょうか?こちらがわからないと、節約しようにもできませんよね。
実は引越し料金は「基本運賃+実費+サービス」で決定され、単身の引っ越しとファミリーの引っ越しでは運搬する荷物の量が異なるため、だいぶ差が生じます。
※価格設定は引っ越し業者によってピンキリです。
それでは、それぞれの費用相場をくわしく見てみましょう。
単身の引っ越し費用相場は4~5万円
単身で引っ越しをする場合、荷物はそう多くないはずです。せいぜい大型家電が5点、大きな家具が数点、あとは雑貨や生活用品程度でしょう。
そのため、荷物の運び出しにたずさわる作業員の労力も少なくなり、移動距離が50㎞なら4~5万円程度と、ファミリーでの引っ越しに比べると安価です。
引っ越し業者によっては、トラックのコンテナスペースを借りて荷物を運ぶ単身パックというお得プランを用意している場合もあるので、荷物が少ない方はこちらを活用するのも節約効果大です。
ファミリーの引っ越し費用相場は8~10万円
ファミリーの場合は、単身と比べると家具や家電が何倍にも増えるため、そのぶん引っ越しの運搬費用も高くなります。
特に子供の学習デスクやグランドピアノなどは大きくてかなりの重量があるので、費用が別途加算になるケースが大半です。
費用がかさみがちな主な荷物 |
移動距離が50㎞なら8~10万円程度はかかるでしょう。また、あまりにも荷物が多く、仮に10tトラック(40㎡程度)で引っ越しをした場合は20万円近くかかることもあります。
次項でもお伝えしますが、引っ越しを安く済ませたいのであれば引っ越し前にどれだけ荷物を減らせるかも鍵になります。
引っ越し費用を節約する7つの方法
高額な引っ越し費用を少しでも節約したい方は、以下を実践してみてください。
①相場が安い時期に引っ越しする
引っ越しは“高いシーズン”と“安いシーズン”があることをまず覚えておきましょう。
冬~春にかけては大学への進学を機にひとり暮らしをする人や、転勤する人などの引っ越しがピークに達し、ゴールデンウィークやお盆休みなどの長期休暇時も引っ越しが多くなります。
このような繁忙期に引っ越しをしようとすると、引っ越し費用は相場の数割ほど高くなります。
1月 | 83,469円 |
2月 | 83,555円 |
3月 | 112,409円 |
4月 | 107,406円 |
5月 | 93,257円 |
6月 | 89,772円 |
7月 | 89,253円 |
8月 | 102,044円 |
9月 | 79,808円 |
10月 | 83,676円 |
11月 | 84,459円 |
12月 | 85,610円 |
最も相場が下がる月は9月となっていますので、急ぐ必要がなければなるべくこうした安いシーズンにあわせて引っ越しをするのがよいでしょう。
安い日にち
安い月だけでなく、“安い日にち”もあります。わずかな差ではありますが意外にも平日は高く祝日が安いということがあるんです。
平日 | 94,264円 |
土日 | 94,040円 |
祝日 | 92,560円 |
数千円でもいいから引っ越し費用を安く抑えたい、という方は祝日に設定してみてはいかがでしょうか。
安い時間帯
細かく見ていくと、実は“安い時間帯”もあります。以下を参考に、最も安い17時台に狙いを定めて引っ越しをしてみてはいかがでしょうか。
7時以前 | 172,090円 |
8時 | 117,932円 |
9時 | 112,294円 |
10時 | 84,776円 |
11時 | 69,436円 |
12時 | 95,112円 |
13時 | 66,040円 |
14時 | 68,158円 |
15時 | 62,057円 |
16時 | 66,233円 |
17時 | 61,289円 |
18時 | 103,556円 |
19時以降 | 67,151円 |
②荷物の量を少なくする
前の項目でもお伝えしたように、荷物が多く運搬に時間がかかったり、大きなトラックを使用しなければいけなくなると、そのぶん引っ越し費用が加算されてしまいます。
中には「引っ越し先でいらないものを選別することにして、とりあえず全部ダンボールに詰めちゃおう」という人もいますが、少しでも荷物を軽くするためにも必ず不用品の処分は引っ越し前に行っておくべきです。
また、引っ越し業者に対し、「費用を抑えたいからトラックのサイズをもっと小さくできないか」と交渉してみるのもアリですね。不用品をお得に処分する方法については後ほどくわしくお伝えします。
③荷造りは自分で行う
引っ越し業者にダンボールの用意や梱包までお願いしてしまうと、そのぶんの実費が加算されます。
節約したいのであれば、時間はかかっても段ボールを自分で調達し、自分で荷物を梱包しましょう。
ダンボールはスーパーや商店に行けばいらなくなったものを無料で引き取ることができます。
④複数の業者に見積もりを出してもらう
「とにかく安く!」を目指す上で、“見積もり”はとても重要です。同じ条件で複数の業者に見積もりを出してもらい、その中から最も安い業者を選ぶようにすれば、確実に費用が抑えられますよね。
「引っ越しネット」などの比較サイトで一括見積もりができるのでぜひご活用ください。
⑤2階以下ならエレベーターがない物件に引っ越す
現在の住まいや新居にエレベーターがあると、数千円~1万円とわずかではありますが引っ越し費用が割高になるというデータが出ています。
ただし、3階以上の建物でエレベーターがないとなると、そのぶん搬入に労力がかかるため人件費が高くついてしまうこともあるので要注意です。
⑥引っ越し費用全額負担キャンペーンを活用する
以下のように、一定の条件を満たせば引っ越し費用を全額負担してくれるキャンペーンもあります。
- 所定の求人サイト経由で転職した場合、勤務地への引っ越し費用全額負担
- 地域活性活動をしている自治体経由で引っ越した場合、所定地域への引っ越し費用全額負担
このような“ちょっと特殊な引っ越し”の場合はかなりお得になるということも知識として頭に入れておくとよいでしょう。
⑦業者ではなく自分たちで運搬する
最終手段として、業者に一切頼らず、自分で運搬するという方法があります。この方法ならば業者に支払う費用をまるまる浮かせられます。
《業者に依頼した場合と自分で運搬した場合の比較例》
業者 | セルフ | |
基本運賃 | ¥30,000 | ¥500(ガソリン代) |
人件費 | ¥12,000×2人 | ¥0 |
養生費 | ¥3,000 | ¥0 |
サービス料 | ¥10,000(エアコン1台設置) | ¥0 |
小計 | ¥55,000 | ¥0 |
消費税(8%) | ¥4,400 | ¥0 |
合計 | ¥59,400 | ¥500 |
※単身者(荷物少し多め)が30㎞離れた場所に引っ越しをした場合
ただし、ガソリン代や交通費は自己負担になるため(車がない場合はレンタカー代も発生)、あくまでも“車で移動できる距離間”であることが前提条件になります。
賢く不用品を処分すれば引っ越し費用の足しになる
ここでは、不用品を賢くお得に処分するための知識について確認していきましょう。
処分に費用がかかるもの
大型家電や大型家具など、サイズが大きい、または重量があるものは引っ越し業者に処分してもらおうとすると高額な費用がかかってしまいます。
※民間業者に引き取ってもらうにしても、1つにつき数百円の処分費用が発生することがあります。
業者が高く買い取ってくれるもの
以下は、高額で買い取ってくれる可能性が高いリサイクルショップに持ち込むのをオススメします。(引っ越し業者は買取ではなく“回収”をすることがほとんどだからです。)
- ブランド品
- 傷の少ない家具
- 製造が5年以内の家電
- パソコン
- 骨とう品
- ジュエリー
- 楽器
- 工具
なお、書籍・ゲーム・衣類などはリサイクルショップに持ち込んだとしても、状態にもよりますが高額買取は期待できません。
しかし、「たったこれだけ?」と思ってしまうレベルの価格であっても、ごみ袋に投げ込むよりかは買い取ってもらったほうが引っ越しの荷物も少なくできて一石二鳥です。
まとめ|業者には値引き交渉をしてみる
引っ越し費用は“値切るのが当たり前”と言われています。
今は多くの引っ越し業者が安さを競い合って顧客の取り合いをしている状態なので、「時間帯はなるべく業者の都合にあわせるかわりにいくら安くしてほしい」といったような条件を出して交渉をしてみてはいかがでしょうか。