買い物の節約術は、探せばいくらでも出てきます。だからこそ、読んだあとに何をすればいいのか分からなくなることも多いのではないでしょうか。
この記事でも13の方法をご紹介します。ただし、全部やっていただく前提では書いていません。
これまで500名以上の家計を見せていただきましたが、13個の技を同時に実行できた方はいらっしゃいませんでした。うまくいっている方は、たいてい2つか3つを習慣にしているだけです。
ですので、読みながら「これはできそう」と思ったものに印をつけていってください。最後に選び方の表も置いておきます。
13個ぜんぶをやらなくていい理由
先に、選び方の考え方をお伝えします。ここを飛ばすと、全部試して全部やめることになります。
手間の総量には上限があります
節約の方法は、どれも多かれ少なかれ手間がかかります。
チラシを見る、リストを作る、買う場所を分ける。1つずつは小さくても、積み上がれば買い物のたびに疲れます。
そして、疲れた方法から順にやめていきます。結果として残るのは、いちばん楽だったものだけです。
それなら、最初から楽なものを選んでおくほうが早いですよね。
効き方は費目の大きさで決まります
公的な数字を1つ置いておきます。
総務省統計局の家計調査(家計収支編)によると、2025年平均で単身世帯の食料への支出は1か月あたり49,321円、家具・家事用品は6,120円でした。二人以上の世帯では食料が94,895円です。
金額の大きさがまるで違います。同じ手間をかけるなら、金額の大きい費目に使ったほうが結果が出ます。
日用品の工夫を否定するわけではありません。ただ、順番としては食材が先です。
食材の買い方|7つの選択肢
まずは金額の大きい食材からです。7つ挙げますが、この中から選ぶのは1つで構いません。
①特売の日を1日だけ覚える
チラシを毎日確認するのは続きません。よく行く店の特売日を1つだけ覚えて、その日に買いに行く形にしてください。
アプリで通知を受け取れる店もあります。自分から見に行く形より、届く形にしたほうが長続きします。
②献立を先に決める
買うものが決まっていないと、店で判断することになります。判断が増えると、予定になかったものが増えます。
1週間ぶんを組む必要はありません。作れるものを3つ決めて、それを回すだけで買う食材が絞れます。
③日持ちするものを軸にする
予定が読めない生活なら、すぐ傷むものを多く買わないほうが安全です。
乾物や冷凍食品、根菜のように日持ちするものを軸にして、生鮮は少なめに買う。捨てる量が減れば、単価が多少高くても支払い総額は下がります。
④単価で比べる
肉や魚は、パックの合計金額ではなく100gあたりの単価で見てください。量が違っても同じ物差しで比べられます。
単価は値札の端に小さく書かれていることが多いので、最初は探しにくいかもしれません。ただ、一度見る場所を覚えてしまえば、あとは目に入るようになります。
合計金額だけで判断すると、量の多いパックが高く見えます。実際には、そちらのほうが安いことも珍しくありません。
⑤空腹のまま店に入らない
お腹がすいた状態で買い物をすると、リストにないものが増えます。仕事帰りに寄るなら、何か口に入れてから向かうだけで変わります。
疲れているときも同じです。
判断する力が落ちていると、目についたものをそのまま買います。買い物に行く時間を、体力の残っている曜日に寄せられるなら、そのほうが確実です。
⑥プライベートブランドを一度試す
小売店が自社で企画している商品は、同種の商品より価格が抑えられていることが多いです。
ただし、味や品質の感じ方は人によります。まとめ買いする前に、1つだけ試してから決めてください。
⑦加工されていない状態で買う
カット済みの野菜や下ごしらえ済みの食材は、そのぶん価格に手間賃が乗ります。
ただ、これは使い切れる方に限った話です。
丸ごと買って余らせるくらいなら、カット済みのほうが結果的に安く済みます。ご自身の生活に合わせて選んでください。
食材そのものの選び方は 節約しながら栄養もしっかり摂れるお助け食材7選 にまとめています。
日用品の買い方|3つの選択肢
日用品は食材ほど金額が大きくありませんが、買う頻度が低いぶん、1回の判断が長く効きます。
⑧買う優先順位を決めておく
日用品は「なくなってから買う」と、その日いちばん近い店で買うことになります。そこが安いとは限りません。
切らすと困るものと、少し待てるものを分けてください。待てるものは、まとめ買いの機会まで置いておけます。
切らすと困るものについては、残り1つになった時点で買い足す、というルールにしておくと安定します。なくなってから慌てて買う状況が減れば、それだけで選ぶ余裕ができます。
ただし、置き場所には限りがあります。買い置きの上限を決めておかないと、収納が足りなくなって別の出費につながります。
⑨長く使うものは価格だけで選ばない
安く買っても、すぐ壊れて買い替えれば同じことです。
毎日使うもの、何年も使うものは、価格より作りを見てください。
逆に、消耗品や使う期間が短いものは、価格で選んで構いません。価格を優先していいものと、そうでないものを分けるのが基本です。
⑩季節をずらす
季節ものは、その季節が終わると値下がりします。次の年に使うものを、シーズンの終わりに買っておく方法です。
ただし、1年後に本当に使うかどうかが分からないものには向きません。買っておいたことを忘れて、翌年また買ってしまう例も見てきました。
買う場所そのものを変える|3つの選択肢
同じ店で工夫するのとは別に、入手先を変えるという方向もあります。
⑪フリマアプリやネットオークションを使う
個人どうしの取引なので、店で買うより安く手に入ることがあります。
一方で、状態は写真と説明でしか分かりません。届いてから思っていたものと違った、という話も少なくないので、生活に必要なものより、なくても困らないものから試すほうが安全です。
⑫規格外品・訳あり品を扱う販売を利用する
形が不ぞろいだったり、傷があったりして通常の流通に乗らない食材を、割安で販売している仕組みがあります。
味に問題がないことも多く、量が多めなので使い切れる方には向いています。ただし、届く内容や量を選べない場合があります。
一人暮らしで冷蔵庫が小さい方には、量が負担になることがあります。
届いてから困らないよう、事前に量と保存の方法を確認しておいてください。使い切れなければ、安く買った意味がなくなります。
お店の中でも、閉店前の値引きや、傷みかけの商品を集めた棚など、同じ考え方で買える場所があります。そちらのほうが量を選べるぶん、始めやすいかもしれません。
⑬ふるさと納税を使う
自治体に寄付をすると、寄付額のうち自己負担分を除いた金額が所得税・住民税から控除され、あわせて返礼品を受け取れる仕組みです。
寄付先は、ご自身の出身地でなくても構いません。ただし、控除を受けられる上限額は収入や家族構成、他の控除の状況によって変わりますし、手続きの方法によって必要な書類も異なります。
「実質負担が少ない」という言い方をよく見かけますが、これは上限の範囲で正しく手続きをした場合の話です。制度の内容と上限の確認は、総務省や国税庁、お住まいの自治体の案内でご確認ください。
13のうち、どれを選ぶか
ここまでの13を、手間と向いている方で並べます。上から2つ選んでいただければ十分です。
| 方法 | 手間 | 向いている方 |
|---|---|---|
| ①特売日を1日覚える | 軽い | 買い物の曜日を決められる方 |
| ④単価で比べる | 軽い | すぐ始めたい方 |
| ⑤空腹のまま入らない | 軽い | 仕事帰りに寄ることが多い方 |
| ⑥プライベートブランドを試す | 軽い | いつも同じ商品を買っている方 |
| ②献立を先に決める | 中くらい | 食材を余らせがちな方 |
| ③日持ちするものを軸にする | 中くらい | 帰宅時間が読めない方 |
| ⑧買う優先順位を決める | 中くらい | 日用品を切らしがちな方 |
| ⑨長く使うものは作りで選ぶ | 中くらい | 買い替えが多いと感じる方 |
| ⑦加工されていない状態で買う | 重い | 時間に余裕がある方 |
| ⑩季節をずらす | 重い | 収納に余裕がある方 |
| ⑪フリマ・オークション | 重い | 急ぎでないものを探している方 |
| ⑫規格外品・訳あり品 | 重い | 量を使い切れる方 |
| ⑬ふるさと納税 | 重い | 上限額を確認する時間が取れる方 |
「重い」と書いたものは、効果がないという意味ではありません。準備や確認が必要なので、余裕のあるときに回してくださいという意味です。
選んだ2つは、1か月そのまま続ける
選んだあとに、すぐ別の方法へ乗り換えないでください。1か月は同じやり方で通します。
期間を決めておかないと、効いているかどうかが分かりません。
1か月ぶんのレシートを見て、金額が変わっていなければ別の方法に替える。この判断の仕方なら、迷わずに済みます。
それから、うまくいっているものはずっと続けてかまいません。新しい方法を足すのは、いま続いているものが手間に感じなくなってからで十分です。
家族と暮らしている場合は、共有できるものを選ぶ
買い物をする方が複数いるご家庭では、自分だけのルールにすると続きません。
この場合は、特売日を決める、買うものをメモにして共有する、といった伝えやすい方法を選んでください。単価で比べるような個人の判断に寄った方法は、共有しにくく途中で崩れます。
かえって高くつく買い方
最後に、やらないほうがいいことも挙げておきます。安くしようとして逆になる例は、本当によく見かけます。
- 安い店を探して、複数の店をはしごする(時間と交通費が乗ります)
- まとめ買いの単価だけを見て、使い切れない量を買う
- ポイントの倍率を目当てに、予定になかったものを買う
- 安いからと、同じものを何個も買い置きする
- 送料を無料にするために、必要のないものを足す
共通しているのは、単価は下がっているのに支払った総額は増えている点です。判断の基準は単価ではなく、その月に実際に払った金額に置いてください。
もう1つ、意外と多いのが「安く買えた」という満足感で別の支出が増えるパターンです。
節約できたぶん、今日は外食にしよう。この形になると、家計としては何も変わっていません。
浮いたと感じた金額の行き先を、あらかじめ決めておくと防げます。
貯蓄用の口座に移す、来月の食費から引く、どちらでも構いません。行き先が決まっていないお金は、たいてい使われます。
ポイントを使うこと自体は有効な方法です。集め方と使い方は クレジットカードを賢く使ってポイントを貯め、節約につなげよう で扱っています。
まとめ:13個から2つ選んで、それだけ続ける
買い物の節約は、知っている方法の数では決まりません。続いている方法の数で決まります。
金額の大きい食材から選ぶ。手間の軽いものから始める。
2つに絞って、それ以外は当面やらない。この形にすると、買い物のたびに考えることが減ります。
いくら下がるかは、いまの買い方や住んでいる場所によって変わるので、お約束はできません。ただ、選ぶ数を減らすほど、続く可能性は上がります。
13という数を見ると、全部知らないと損をしている気持ちになるかもしれません。
でも、知っているだけの方法は家計を変えません。変えるのは、実際に続いているものだけです。
表を見返して、いちばん「これならできそう」と思ったものに1つ印をつけてみてください。今週の買い物は、それだけで大丈夫です。
