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フリーランスの国民年金だけで老後は足りるのか

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若手Webマーケター/SNSグロースプランナーの早瀬優人です。

独立して国民年金の納付書が届いたとき、「これだけで老後は大丈夫なのか」と一度は考えると思います。

僕も最初は不安だけが先に立って、調べては閉じるということを繰り返していました。実際のところ、不安が消えないのは金額を知らないからで、水準と選択肢を把握すると考えるべきことがはっきりします。

この記事では、国民年金だけの場合の水準と、上乗せできる制度を優先順位の順に整理していきます。

国民年金だけの場合の水準

まず、事実として金額を押さえます。

満額はいくらか

老齢基礎年金の満額は、2026年度(令和8年度)で月70,608円です(昭和31年4月2日以降生まれの場合)。

これは20歳から60歳までの40年間、すべての保険料を納めた場合に受け取れる金額です。納付していない期間があれば、その分だけ減ります。

この金額は毎年度改定されるため、必ず「◯年度時点」として見てください。最新の金額と受給の要件は日本年金機構の老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法で確認できます。

受け取るための最低条件

受給資格期間は10年以上です。保険料を納めた期間と免除された期間などを合わせて10年に届けば、受け取る権利そのものは生じます。

ここでつまずく人が多いのですが、権利が生じることと十分な額を受け取れることは別です。

保険料を納めた期間が10年(120か月)だけの場合、受け取れるのは満額の4分の1にあたる水準にとどまります。免除を受けた期間は納付済み期間とは算入率が異なるため、実際の金額はねんきん定期便で確認してください。

納められない年があったら、放置せず免除を申請する

収入が不安定な時期には、保険料の納付が重く感じられることがあります。ここは上乗せを考える前の話として押さえておいてください。

払わずに放置する(未納)のと、申請して免除・納付猶予を受けるのとでは、扱いが大きく変わります。

  • 未納……受給資格期間に算入されず、将来の年金額にも反映されない。障害年金・遺族年金を受けられなくなる場合がある
  • 免除・納付猶予……受給資格期間に算入される。免除の場合は年金額にも一定割合が反映される

さらに、免除や猶予を受けた期間の保険料は、原則として10年以内であれば後から納める(追納する)ことができます。

払えないときにやるべきなのは、放置ではなく申請です。手続きは市区町村の窓口か年金事務所で行えます。

会社員との差はどこから来るか

会社員は国民年金に加えて厚生年金にも加入しているため、老後に受け取る年金が2階建てになります。

フリーランスにこの2階部分がないことが、差の正体です。制度の設計上そうなっているだけで、何かを失敗したわけではありません。

だからこそ、2階部分を自分で作れるかどうかが論点になります。

ただし、不足額は人によって違う

「老後に何千万円必要」といった数字が流通していますが、必要額は生活費・住居の状況・働き続ける年数によってまったく変わります。

自分の年金見込額は「ねんきんネット」や毎年届くねんきん定期便で確認できるので、まずそこを見てから考えるほうが早いです。

上乗せする4つの選択肢

順番として、費用対効果と手軽さの順に並べます。

1. 付加年金(月400円)

最初に検討したいのがこれです。国民年金の保険料に月400円を上乗せして納めるだけの制度です。

受け取る側は「200円×付加保険料を納めた月数」が老齢基礎年金に上乗せされます。

納めた総額に対して、受給開始から2年で計算上は元が取れる設計になっています。手続きは市区町村の窓口で申し込むだけです。

制度の詳細は付加保険料の納付(日本年金機構)で確認できます。

2. 国民年金基金

第1号被保険者が入れる、上乗せ年金の制度です。掛金は全額が社会保険料控除の対象になります。

受け取る額があらかじめ決まっている点が特徴で、運用の結果によって増減しません。制度の内容は国民年金基金連合会で確認できます。

ここが重要な注意点で、付加年金と国民年金基金は併用できません。どちらかを選ぶことになります。

3. iDeCo(個人型確定拠出年金)

自分で掛金を出して運用し、その結果に応じた額を将来受け取る制度です。掛金は全額が所得控除の対象になります。

運用の成果によって受け取る額が変わるため、増えることも減ることもあります。制度の概要はiDeCo公式サイトで確認できます。

なお、2026年12月の拠出分から、第1号被保険者の掛金の上限が月6.8万円から7.5万円へ引き上げられ、加入できる年齢も70歳未満まで拡大される予定です。適用時期の記述は情報源によって揺れがあるので、実行に移す前に公式情報で確認してください。

4. 小規模企業共済

中小機構が運営する、個人事業主などのための積立制度です。掛金は月1,000円から7万円の範囲で選べます。

厳密には年金ではなく、廃業や退職に備える制度ですが、老後資金の受け皿としても機能します。詳細は小規模企業共済(中小機構)で確認できます。

枠の関係を整理する

ここを混同している記事が多いので、関係を明示しておきます。

合算されるものと、されないもの

  • iDeCo + 国民年金基金 + 付加保険料……この3つは合算して月6.8万円が上限(第1号被保険者の場合。2026年12月拠出分から月7.5万円へ引き上げ予定)
  • 小規模企業共済……上の合算枠とは別枠。月1,000円〜7万円の範囲で選べる

つまり、国民年金基金を月3万円かけている人がiDeCoに回せるのは、残りの枠の範囲までということです。

一方、小規模企業共済は別枠なので、合算枠を使い切っていても並行して積み立てられます。ここは知らないと選択肢を1つ失います。

併用の可否をまとめると

  • 付加年金 と 国民年金基金 → 併用不可
  • 付加年金 と iDeCo → 併用可(ただし合算枠の中)
  • 国民年金基金 と iDeCo → 併用可(ただし合算枠の中)
  • 小規模企業共済 と 上記すべて → 併用可(別枠)

選ぶときの考え方

どれを使うかは、置かれている状況によって変わります。

まず確認する3点

  • いま、毎月いくらなら無理なく回せるか
  • 受け取る額が確定しているほうが安心か、運用の結果に委ねられるか
  • 60歳より前に引き出せない資金にしてよいか(iDeCoは原則として途中で引き出せません)

3つ目は特に重要です。事業の資金繰りが不安定な時期に、引き出せない形で固定するのは慎重に判断してください。

掛金は途中で変えられる

いずれの制度も、掛金の額を後から見直せる仕組みが用意されています。

最初から上限まで入れる必要はなく、収入が安定してから増やす進め方で問題ありません。

手元資金とのバランス

老後の備えより先に、事業を続けるための当面の資金を確保するほうが優先されます。

手元資金と運用に回す割合の考え方は貯金の何割を運用に回すべきか、生活防衛資金から逆算する新NISA時代の割合で整理しています。

まとめ:2階部分は、自分で作れる

フリーランスの国民年金と、上乗せの選択肢を整理してきました。

老齢基礎年金の満額は2026年度で月70,608円、受給資格期間は10年以上。会社員との差は厚生年金という2階部分の有無から来ています。

上乗せの候補は付加年金・国民年金基金・iDeCo・小規模企業共済の4つ。付加年金と国民年金基金は併用できず、小規模企業共済だけが別枠です。

受け取れる金額も、必要な金額も人によって違います。手元のねんきん定期便で自分の見込額を確認し、そのうえで上乗せを考えるかどうかを決めてください。

働けなくなったときの備えはフリーランスが加入できる保険と、会社員との保障の差にまとめています。

監修:宮内 俊輔(ファイナンシャルライター)
本記事は公的年金と上乗せ制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入や加入を勧誘・保証するものではありません。年金額・掛金の上限・制度内容は改定される場合があり、運用を伴う制度では元本を下回る可能性があります。実際のご判断は、日本年金機構および各制度の公式情報をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。
この記事を書いた人
早瀬 優人(若手Webマーケター/SNSグロースプランナー)
副業・SNS運用・フリーランスが専門。SNS改善300件以上、フォロワー1万→6万超の実績を持つ実践派。自身も独立後に確定申告と向き合ってきた経験から、副業・フリーランス目線の実務情報を発信している。