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家事按分の考え方と、税務署に説明できる根拠の残し方

若手Webマーケター/SNSグロースプランナーの早瀬優人です。

副業を自宅でしていると、家賃や通信費、電気代のように、プライベートと業務の両方で使っている支出が出てきます。

これをどこまで経費にしていいのか、実際のところここでつまずく人が多いです。僕自身も最初は感覚だけで割合を決めていて、あとから根拠を聞かれたら答えられないなと不安になった経験があります。

この記事では、家事按分の考え方から割合の決め方、そして税務署に説明できる根拠の残し方までを順番に整理します。経費の全体像は副業の経費にできるもの・できないものの線引きも参考にしてください。

家事按分とは何か

家事按分とは、プライベートと業務の両方に使っている支出を、業務で使った割合分だけ経費にする考え方です。

家賃や光熱費、通信費のように、生活と仕事の両方にまたがる支出は、全額をそのまま経費にすることはできません。ここが出発点です。

「業務で使っている部分だけ」を切り分けて計上するのが、家事按分の基本ルールです。

なぜ全額を経費にできないのか

家賃や光熱費は、副業をしていなくても生活のために発生する費用です。

このうち、業務のために追加でかかっている部分だけが経費として認められる、という考え方になります。

全額を経費にしてしまうと、生活費まで経費として申告することになり、税務上のリスクが高まります。

按分割合をどう決めるか(計算例つき)

按分の割合に、法律で定められた一律の数字はありません。ここが最初の壁です。

実態に即して、合理的に説明できる基準で自分で決める必要があります。順番として、まず何を基準にするか(面積か時間か)を決め、次にその基準で計算する、という流れになります。ここでは代表的な2つの支出を例に、具体的な計算のイメージを示します。

家賃・自宅の一部を仕事に使っている場合

自宅の一室を仕事専用のスペースとして使っているなら、床面積の割合を基準にする方法が一般的です。

たとえば、専有面積60平方メートルの部屋のうち、仕事専用の1部屋(6畳・約10平方メートル)を使っているなら、面積比はおよそ17%になります。

家賃が月10万円であれば、17%を掛けた約1万7千円が、その月に経費として計上できる目安の金額です。

仕事専用の部屋がなく、リビングなどで作業している場合は、1日の作業時間が生活時間全体に占める割合で按分する考え方もあります。

通信費・電気代の按分

スマホやネット回線の通信費は、業務で使っている時間の割合で按分するのが一般的です。

このとき大切なのは、割合を出すための「母数」を先に決めて、最後まで同じ母数で計算することです。順番を逆にすると、あとから数字がぶれます。

たとえば、1日のうち睡眠を除いた起きている時間を16時間と決め、そのうち平日は4時間を副業に使い、休日は使わないとします。

この場合、1週間の起きている時間は16時間×7日で112時間、副業に使った時間は4時間×5日で20時間です。

20時間÷112時間で、按分割合はおよそ18%と計算できます。通信費が月5,000円なら、経費にできる目安は約900円です。

電気代も同じように、仕事で使うパソコンや照明の使用時間をもとに、同じ母数で割合を見積もります。

正確な数字を出すのが難しい場合でも、どの母数から何時間を業務としたのかを説明できるようにしておくことが大切です。

按分割合は高すぎないかを一度見直す

「経費を増やしたいから」という理由で、実態よりも高い割合を設定するのは避けてください。

按分割合は「多く見せる」ためではなく、「実態を正確に反映する」ために決めるものです。

自分の生活と仕事の時間配分を振り返って、無理のない割合になっているか確認してみてください。

按分の計算や記帳は、慣れないうちは特に手間に感じやすい作業です。

クラウド会計ソフトには家事按分の入力機能が用意されているものもあり、計算の手間を減らせます。


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按分割合が否認されやすいパターン

実際のところ、税務署から指摘を受けやすい按分の仕方には、いくつか共通する特徴があります。先に知っておくと避けられます。

割合が高すぎて実態と合わない

ワンルームの自宅全体を「8割が仕事スペース」のように計上すると、寝る場所や生活空間まで含めて説明がつかなくなります。

床面積や使用時間から逆算して、無理のない割合かどうかを一度チェックしてください。

収入に対して経費の割合が極端に大きい

副業の収入がそれほど大きくないのに、家賃や通信費の大部分を経費にしていると、収支のバランスから不自然さを指摘されることがあります。

面積や時間の根拠が何も残っていない

按分割合だけを決めていて、その数字をどう算出したかの記録がまったくない状態は、指摘を受けたときに反論できません。ここでつまずく人が多いです。

数字そのものより、算出の過程を残しているかどうかが問われます。

税務署に説明できる根拠の残し方

按分割合は、決めた数字だけでなく、その根拠を残しておくことが重要です。ここが分かれ目です。

計算根拠をメモとして残す

床面積を基準にしたなら、部屋の面積と家全体の面積をメモしておいてください。

使用時間を基準にしたなら、平日・休日それぞれの作業時間の目安を記録しておくと安心です。

あとから聞かれたときに、感覚ではなく数字で答えられる状態にしておくことがポイントです。

一度決めた割合は継続して使う

按分割合を年によってころころ変えると、根拠のなさを疑われやすくなります。

働き方や住まいが大きく変わったタイミング以外は、同じ割合を継続して使うようにしてください。

変更する場合は、なぜ割合が変わったのかも合わせてメモしておくと説明しやすくなります。

白色申告と青色申告で求められる記帳の重さが違う

白色申告でも家事按分は必要ですが、簡易な帳簿でも申告できるため、記録の厳密さはやや緩やかです。

一方、青色申告で55万円・65万円の特別控除を狙う場合は、複式簿記による帳簿づけが前提になるため、按分の根拠もより丁寧に残しておく必要があります。

なお、複式簿記で記帳して期限内に申告すると55万円の控除が受けられ、さらにe-Taxでの電子申告または優良な電子帳簿の保存を満たすと65万円になります。要件の詳細は国税庁のNo.2072 青色申告特別控除で確認できます。

白色申告・青色申告どちらを選ぶかの考え方は副業とフリーランスの確定申告、白色申告と青色申告はどちらを選ぶべきかで解説しています。

まとめ:家事按分は「実態」と「説明できる根拠」で決める

家事按分の考え方から割合の決め方、根拠の残し方までを順番に整理してきました。

ポイントは2つです。プライベートと業務が混ざる支出は全額ではなく実態に応じた割合で按分すること、そしてその割合をどう決めたかを記録として残しておくことです。

按分割合に絶対の正解はありませんが、「なぜその割合にしたか」を説明できることが、税務署に対する最大の備えになります。

家事関連費の考え方は国税庁のNo.2210 必要経費の知識にも示されています。制度の細かい取り扱いは変わることがあるため、最終的な判断は国税庁の情報や税務署への確認を通して行ってください。

次の一歩は1つだけです。まずは自宅の面積か1日の作業時間か、どちらを按分の基準にするかを決めて、その数字をメモに残してみてください。

家事按分を含めた記帳をまとめて管理したい人は、無料プランから試してみるのも一つの方法です。


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監修:結城 涼太(コンテンツディレクター)
本記事は家事按分に関する一般的な情報提供を目的としたもので、按分割合の妥当性や税務判断を保証するものではありません。按分の考え方は個々の生活・業務実態によって異なり、制度も改正される場合があります。実際の判断は、国税庁など公式情報をご確認のうえ、税務署または税理士にご相談ください。
この記事を書いた人
早瀬 優人(若手Webマーケター/SNSグロースプランナー)
副業・SNS運用・フリーランスが専門。SNS改善300件以上、フォロワー1万→6万超の実績を持つ実践派。自身も独立後に確定申告と向き合ってきた経験から、副業・フリーランス目線の実務情報を発信している。