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プロンプトエンジニアという新職種の現実

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若手Webマーケター/SNSグロースプランナーの早瀬優人です。

「プロンプトエンジニア」という職種の名前を、年収が高いという話とセットで見かけるようになりました。

僕も一時期この肩書きを本気で追いかけて、国内の求人を実際に検索してみたところ、目にしていた数字とのギャップに手が止まりました。実際のところ、こういう情報でまず確認すべきなのは、それがどこの国の、いつの時点の話なのかという点です。

この記事では、プロンプトエンジニアという職種の現実を、定義から求人の実態、目指すべきかの判断までを順に整理していきます。

プロンプトエンジニアとは何をする仕事か

年収の話に入る前に、まず何をする仕事なのかを定義から確認します。

AIから望む出力を引き出す設計をする

プロンプトというのは、AIに与える指示そのもののことです。

同じことを頼んでも指示の書き方によって出てくるものは変わるので、その指示を設計して安定して望む結果が出るようにするのが、プロンプトエンジニアの役割とされています。

実際の業務は「設計と検証」が中心

ただ、単に上手な指示文を書くだけで終わる仕事ではありません。

業務のどの部分をAIに任せるかを決めてから指示を組み立て、出てきた出力を検証して改善する、という一連の流れを回していく仕事です。

指示文を書く技術より、業務を理解して工程に落とす力のほうが比重は大きくなります。

数字を見たときに確認する3点

この分野は、目を引く数字が出回りやすい領域です。

年収や単価の情報を見たときは、次の3点を確認してから受け取ってください。

  • どこの国の話か……賃金水準も雇用の形も違うため、そのまま比較できません
  • いつの情報か……この領域は変化が速く、1年前の数字が現状と合わないことがあります
  • 誰が出した数字か……調査なのか、一社の事例なのか、伝聞なのかで意味が変わります

3点のうちひとつでも確認できない数字は、判断の材料にしないほうが安全です。

代わりに使えるのが、国内の求人サイトで実際の募集を見ることです。

提示されている金額と、求められている経験を並べて見れば、自分の現在地との距離が測れます。

他人がまとめた数字より、自分で確認した募集のほうが判断に使えます。

年収の情報を見るときの注意

ここが最も誤解の広がっている部分なので、数字の読み方から確認していきます。

海外の事例をそのまま国内の話にしない

高額な年収の事例として紹介されているものの中には、海外企業の求人が混ざっていることがあります。

国が違えば、給与の水準も、企業がAIに投じている予算の規模も違います。海外の金額をそのまま日本の相場として受け取るのは、判断を誤るもとです。

出典を確認する習慣を持つ

この分野は動きが速いこともあって、出典の示されていない数字が多く流通しています。

ここでつまずく人が多いのですが、「プロンプトエンジニアは年収○○万円」という記述を見たら、次を確認してください。

  • どこの国の話か
  • いつの時点の情報か
  • 調査した主体はどこか
  • 何件のデータをもとにしているか

この4つが書かれていない数字は、そもそも判断材料にしないほうが安全です。

国内の求人は自分で確認できる

実態を知りたいなら、求人サイトで「プロンプトエンジニア」と検索して自分で確かめるのがいちばん早いです。

掲載件数と募集している企業の種類、そして求められる経験まで見ていけば、記事に書かれた数字よりも正確な感覚がつかめます。

職業ごとの情報は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)でも調べられます。

求人票を読むときに見る項目

職種名だけで判断せず、募集の中身を見るほうが実態がつかめます。

確認したいのは次の4点です。

  • 業務内容に「設計」と「検証」が入っているか……入っていなければ、指示を書くだけの作業に近い可能性があります
  • 求められる前提スキル……エンジニア向けか、業務理解を重視しているかで必要なものが変わります
  • 成果をどう測るか……書かれていれば、その組織がAI活用をどう捉えているかが読めます
  • 雇用形態と期間……プロジェクト単位の募集か、恒常的な職種として置いているか

4つ目は特に見ておきたい部分です。期間限定の募集が多い領域は、職種として定着する前の段階にあります。

求人サイトで職種名を検索し、件数と内容を自分で確認してみてください。

記事や動画で語られる印象より、実際の募集のほうが確かな情報になります。

求められるスキルの実態

募集要項を見ていくと、共通する要素が見えてきます。

単独のスキルとして募集されることは少ない

「プロンプトエンジニア」という名前だけを掲げて募集されるケースは、それほど多くありません。

多くはエンジニア職やデータ関連の職種の募集で、その要件のひとつとしてAI活用の経験が挙げられている形になっています。

求められることが多い要素

  • 対象業務そのものへの理解(何を効率化したいのか分かること)
  • 出力を検証できる知識(正しいかどうかを判断できること)
  • 再現性のある形にまとめる力(他の人も使える状態にすること)
  • プログラミングやデータ処理の基礎(求人によって)

順番として、AIの知識より先に、対象業務の知識が求められていることが多いです。

肩書きが先に来ると起きること

職種名を目標に置いたとき、何が起きるかを整理しておきます。

まず、学ぶ内容がツールの操作に寄っていきます。肩書きに近づいている感覚が得られやすいためです。

次に、募集が少ないことに気づいて焦りが出ます。

そして、別の新しい職種名が出てきたときに、また移りたくなります。

この繰り返しになると、どの分野でも実績が積み上がらない状態になります。

一方、いまの仕事にAIの運用力を足す形で考えると、判断が変わります。

学ぶ内容は自分の業務に直結しますし、成果は現職での評価として残ります。

その積み重ねは、職種名が変わっても持ち運べます。

目指すべきか、という問いへの答え

ここが本題なので、目指すかどうかの判断材料を順に並べていきます。

職種名を目標にすると足元が揺れる

AIの分野は動きが速いので、職種の呼び方も数年単位で変わっていきます。

数年前に注目された肩書きが、いまはあまり使われていないということも実際に起きています。職種名そのものを目標に据えると、名前が変わったときに拠り所を失います。

既存の職種にAI運用力を足すほうが現実的

僕が受注する側で見ていて感じるのは、価値が出やすいのは「AIに詳しい人」ではなく「その業務が分かっていて、AIも使える人」だということです。

ライターであれば、もともと書ける人がAIを使うことで速くなり、これはデザイナーでも事務職でも同じです。

この掛け合わせで進むほうが、実績のない状態からプロンプトエンジニアを目指すより、道筋がはっきりしています。

結果として同じ場所に行ける

業務を理解したうえでAIを使いこなし、それを他の人も使える形に整えられる人は、肩書きが何であれ必要とされます。

身につけ方の順序は未経験からAI活用スキルを身につける学習ロードマップで整理しています。

近い職種との違い

この領域は、周辺の職種と重なる部分が大きいです。

混同しやすいものを整理しておきます。

  • AIエンジニア……モデルの開発や実装が中心。プログラミングの前提が要ります
  • データサイエンティスト……データの分析と活用が中心。統計の知識が前提です
  • 業務改善・DXの担当……業務の理解が中心で、AIは手段のひとつ。ここが実務ではいちばん近い位置にあります
  • コンテンツ制作者……制作の一工程としてAIを使う。制作物の質で評価されます

「プロンプトを書く」という作業だけを切り出した職種は少なく、たいていどれかの職種の中に含まれています。

目指す方向を決めるなら、職種名ではなく、この4つのどこに自分の経験が近いかで考えるほうが道筋が見えます。

転職や副業として考える場合

ここからは、実際に自分が動くとしたらどうするか、という視点でも触れておきます。

副業から試せる領域もある

企業に転職するという形だけでなく、業務改善の相談を受けるという形で関わることもできます。

中小企業や個人事業主の中には、AIを使いたいけれど何から手をつければいいか分からない、という状況の人がいるためです。

そこで求められるのは高度な技術ではなく、相手の業務を整理して手順に落とす力になります。

実績の作り方

いきなり相談業務を受けるのは難しいので、順番として、まず自分の作業で成果を出すところから始めます。

自分の業務でどれだけ時間を短縮できたか、どう仕組み化したかを説明できるようになれば、それがそのまま実績になります。

3年後を考えるなら

いまの状況は動いている最中なので、数年先を正確に読むことはできません。

ただ、どちらに転んでも損をしにくい準備はあります。

ひとつは、特定のツールに依存しない形でスキルを持っておくことです。

ツールは入れ替わりますが、「何を任せて何を自分で判断するか」の設計は残ります。

もうひとつは、AIとは別の軸を1つ持っておくことですね。

業務知識でも、業界の経験でも構いません。

掛け合わせの片方が入れ替わっても、もう片方が残っていれば立て直せます。

逆に、AI活用だけを軸にすると、その領域が一般化したときに差がなくなります。

職種名が定着するかどうかに関係なく、この2つは無駄になりにくい準備だと僕は考えています。

いま何から始めるか

ここまで読んで、結局何をすればいいのかと感じた方もいると思います。

この職種を目指すかどうかに関係なく、先にやっておいて損がないことが3つあります。

ひとつ目は、いまの自分の業務を工程に分けて書き出すことです。

AIを当てられる場所を探すにも、まず工程が見えていないと始まりません。

ふたつ目は、そのうち1工程だけ、実際に試してみることですね。

読んで理解した状態と、やってみた状態では、分かることの質が変わります。

3つ目は、試した結果を記録しておくことです。

うまくいった指示と、うまくいかなかった指示。この2つが手元に残っていること自体が、実績として説明できる材料になります。

職種名が定着するかどうかは、いま判断できません。

ただ、この3つはどちらに転んでも無駄にならない準備です。

肩書きを追いかける前に、手元の作業から始めてみてください。

職種名との付き合い方

新しい職種名は、これからも出てきます。

そのたびに追いかけるか、自分の軸に足せるかを見るか。この違いが数年後に効いてきます。

判断の材料は、その名前が指す仕事の中身が説明できるかどうかです。

中身を説明できない職種名は、まだ形になっていない可能性があります。

説明できる形になってから動いても、遅くはありません。

先に動いた人が有利とは限らないのが、この領域の特徴でもあります。

周辺の求人も一緒に見ておく

職種名で検索するとき、近い言葉でも検索してみてください。

「AI活用」「生成AI 導入」「業務改善」といった語で募集されていることがあります。

同じ内容の仕事が、別の名前で募集されている例は少なくありません。

職種名を固定して探すと、条件の合う募集を見落とします。

まとめ:肩書きより、掛け合わせで考える

プロンプトエンジニアという職種の現実を整理してきました。

押さえるべきなのは、年収の情報は国と時点と出典を確認すること、単独の職種としての募集はまだ多くないこと、そして求められるのはAIより先に対象業務の理解だということの3点です。

職種として目指すより、いま持っている専門にAIを使う力を足すほうが、現実的で足元が揺れません。

この分野の状況は変わり続けます。数字や職種の位置づけを見るときは、その情報がいつのものかを必ず確認してください。

まずは求人サイトで実際に検索して、どんな企業が何を求めているのかを自分の目で確かめるところから手をつけてみてください。

AIでできる副業の全体像は生成AIでできる副業10種類と、それぞれに必要なスキルにまとめています。