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通信障害に備える二回線持ちの現実的なコスト

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Webリサーチャーの江原健太です。

スマホが突然つながらなくなる。困るのは電話だけではありません。

キャッシュレス決済、二段階認証、地図、配車アプリ——生活の多くがスマホの通信に依存しています。

僕も仕事柄いくつかの回線を持っています。調べていて感じるのは、備えとして意味があるのは選び方を間違えなかった場合だけだということ。

この記事では、通信障害に備える二回線持ちを整理します。実際にかかるコストと、必要度の判断基準を渡します。

大規模な障害と、局所的な障害

通信障害と一口に言っても、規模はさまざまです。

全国規模で長時間続くものは、それほど頻繁ではありません。

一方、特定の地域や時間帯だけ不安定になることは、より身近に起きます。

二回線持ちが効くのは、事業者側の障害が起きた場合です。

端末の不具合や、建物の中で電波が届かない場合には効きません。

備える対象を取り違えると、費用をかけても解決しないことになります。

自分が困っているのがどちらなのかを、先に切り分けてください。

通信障害はどのくらい起きているのか

「めったに起きないこと」。そう感じるかもしれません。

ただ、実際には一定の頻度で発生しています。

国が事故の報告を義務づけている

電気通信事業には報告制度があります。一定規模以上の通信障害を、事業者が総務省へ報告する仕組みです。

影響を受けた利用者数や継続時間が基準を超えると「重大な事故」。四半期ごとに件数や傾向が公表されます。

数字で比べると、基準は明確です。データ通信のサービスなら、影響を受けた利用者数が10万人以上といった規模が目安のひとつになっています。

この報告制度が続いていること自体が、通信障害が一定の頻度で起きている事実を示しています。

詳しくは総務省の電気通信事故報告制度で確認できます。

つまり、通信障害は例外的な出来事ではなく、毎年一定数発生しているものとして扱われています。

止まらないものも把握しておく

障害時に何が止まるかを書きましたが、逆に使えるものも知っておくと落ち着けます。

  • Wi-Fiに接続していれば、多くのサービスは使えます……自宅、職場、店舗
  • 端末に保存済みのデータ……写真、ダウンロード済みの地図や音楽
  • 現金での支払い……当然ですが、決済が止まったときの備えになります

3つ目は、二回線を持たない人にとって現実的な備えです。

キャッシュレス中心の生活をしている人ほど、少額の現金を持っておく意味があります。

1つ目については、自宅や職場のWi-Fiに自動接続する設定を済ませておいてください。

障害が起きてから設定するのは難しくなります。

通信障害で実際に止まるもの

備えを考えるうえで、まず何が困るのかを具体化しておきます。

連絡手段

通話とメッセージが使えなくなります。相手も同じ回線を使っていれば、双方から連絡が取れません。

キャッシュレス決済

QRコード決済は通信が必要なため、店頭で支払えなくなります。

現金を持ち歩かない習慣の人ほど、この影響を強く受けます。

見落とされやすいのが、ここです。クレジットカードのタッチ決済や交通系ICは、カード自体があれば使える場合があります。

二段階認証

SMSで認証コードを受け取る設定。これだとログインができなくなります。

パソコンからアクセスしようとしても、認証で止まります。

地図・交通・配車

外出先での経路検索も、配車アプリも使えません。旅行中や出張中は影響が大きくなります。

契約する前に試せること

いきなり契約する前に、確認できることがあります。

いま使っている端末が、複数回線に対応しているかどうかです。

対応していなければ、端末を用意するところから費用が発生します。

設定画面で、回線を追加できる項目があるかを見てください。

対応していれば、eSIMを追加する形で端末を増やさずに済みます。

短期間だけ契約できる事業者を使って、実際の使い勝手を試す方法もあります。

合わなければ削除すればよいので、長期契約より試しやすい形です。

副回線に必要な容量

副回線は、障害時の代替として使うものです。

普段使わないなら、大きな容量は要りません。

必要なのは、連絡と最低限の調べものができる程度です。

ただし、決済や地図を使うなら、それも見込んでおいてください。

数日間メインが使えない事態を想定するなら、少し余裕を持たせる形になります。

容量を大きくすると月額も上がるので、備えとしての費用感と相談してください。

二回線持ちのコストはいくらか

ここが本題です。備えにいくらかかるのかを見ていきます。

副回線は「最小限の容量」で足りる

障害時の代替として持つ回線は、普段使う必要がありません。

そのため、データ容量が最小のプランやデータ専用の回線であれば、月額数百円程度から持てるのが現実的な水準です。

従量制のプランなら、使わない月は基本料だけ。さらに負担を抑えられます。

eSIMなら端末を増やさずに済む

副回線をeSIMで契約すれば、今使っている端末にそのまま追加できます。

2台目のスマホは不要です。初期費用を抑えられます。

ただし端末がデュアルSIM(DSDV)に対応している必要があります。仕組みはデュアルSIMで通信費を下げる使い方で解説しています。

費用対効果をどう考えるか

月数百円を「安い保険」と見るか、「使わないものへの出費」と見るか。後述する必要度によって変わります。

年間では数千円の負担です。全員が持つべきものとは言えません

副回線をどう使い分けるか

契約しただけでは、いざというときに使えません。

決めておきたいのは次の3点です。

  • どちらをメインにするか……普段のデータ通信を行う回線です
  • 切り替えの手順……障害時に、設定のどこを操作するか
  • 誰に番号を伝えるか……副回線の番号を家族に共有しておくか

2つ目は、実際に一度やってみてください。

障害が起きてから設定画面を探すと、時間がかかります。

操作する場所を覚えておけば、数十秒で切り替えられます。

3つ目については、副回線の番号を家族に伝えておくかどうかで判断が分かれます。

連絡手段としての備えを重視するなら、伝えておいたほうが確実です。

通信網の見分け方

メインと違う通信網を選ぶ、と書きましたが、見分け方が分かりにくい部分です。

格安SIMの多くは、大手の通信網を借りて提供しています。

どの通信網を使っているかは、事業者の公式ページに記載されています。

複数の通信網から選べる事業者もあるので、申し込み時に確認してください。

メインと同じ通信網を選ぶと、障害が起きたときに両方止まります。

ここを間違えると、備えとして機能しません。

副回線を選ぶときの最重要ポイント

ここを間違えると、備えとして機能しません。

メインと違う通信網を選ぶ

格安SIMの多くは、大手キャリアの通信網を借りて提供されています。

メイン回線と同じ通信網を借りている格安SIMを副回線にすると、元の回線に障害が起きたとき、両方とも使えなくなる可能性が高くなります。

料金より先に「どの通信網を使っているか」を確認してください。この一点だけは妥協できません。

普段から動作を確認しておく

契約しただけで設定していないと、いざというときに使えません。

月に一度は副回線に切り替えて、通信と通話ができるか確認しておくと安心です。

副回線として使えるプランは、少容量のものを選ぶのが基本です。

副回線にかける費用の考え方

副回線は、備えのための費用です。

保険と同じで、使わなければ支出だけが残ります。

ですから、いくらまでなら許容できるかを先に決めておいてください。

判断の目安は、通信が半日使えなくなったときの影響です。

仕事が止まる、決済ができない、家族と連絡が取れない。

この影響が大きい人ほど、費用をかける意味があります。

逆に、半日使えなくても困らない人は、無理に契約する必要はありません。

その場合は、公衆Wi-Fiの設定を済ませておくといった、費用のかからない備えで足ります。

二回線持ちが必要な人・そうでない人

必要度は、生活と仕事の依存度で変わります。

必要度が高い人

  • 在宅勤務で通信が止まると仕事にならない人……オンライン会議に参加できない影響が直接的
  • 現金をほとんど持ち歩かない人……決済ができないと日常生活が止まる
  • 外回りや移動の多い仕事の人……地図と連絡が同時に使えなくなる
  • 家族の緊急連絡を受ける立場の人……連絡が取れない時間を作れない

必要度が低い人

  • 自宅に光回線などの固定回線があり、在宅時間が長い人
  • 現金やクレジットカードを併用している人
  • 通信が数時間止まっても業務に大きな支障が出ない人

自宅に固定回線があれば、それ自体がスマホの通信障害に対する備えになります。この場合、副回線の優先度は下がります。

障害が起きたときの初動

通信が使えなくなったとき、まず確認したいのは原因の切り分けです。

自分の端末の問題か、回線側の障害かで、対処がまったく違います。

確認する順番は次のとおりです。

まず、機内モードのオンオフを試します。これで復旧することがあります。

次に、端末を再起動します。

それでも直らない場合、他の人の端末が使えているかを確認してください。

同じ事業者の回線が周囲でも使えていないなら、回線側の障害です。

その場合、こちらでできることはありません。Wi-Fiか副回線に切り替えて待つ形になります。

事業者の障害情報は、別の回線かWi-Fi経由で確認できます。

お金をかけない備え方

二回線持ちまでしなくてもできる対策もあります。

  • 二段階認証をSMS以外(認証アプリなど)にも設定しておく
  • 現金を少額でも持ち歩く
  • クレジットカードや交通系ICを財布に入れておく
  • よく行く場所の地図をオフラインで保存しておく
  • 家族と「つながらないときの集合場所・連絡方法」を決めておく

これらは費用がかかりません。副回線を持たない人こそ、準備しておく価値があります。

まずは自分の必要度を判定する

この記事の内容を、判断の順番としてまとめておきます。

まず、通信が半日使えなくなったときの影響を考えます。

影響が小さいなら、費用のかからない備えで足ります。

影響が大きいなら、副回線を検討する段階です。

その場合、メインと違う通信網を選ぶことが条件になります。

同じ通信網では、障害が起きたときに両方止まります。

ここを外すと、費用をかけた意味がなくなります。

備えは段階的に増やせます

いきなり副回線を契約しなくても構いません。

まず、費用のかからない備えから始める方法があります。

公衆Wi-Fiの設定を済ませる、家族の連絡先を紙に控える、少額の現金を持つ。

これだけでも、半日程度の障害なら乗り切れます。

そのうえで足りないと感じたら、副回線を検討すればよい話です。

必要度が高い人ほど、費用をかける意味が出てきます。

判断の順番をもう一度

最後に、考える順番を整理しておきます。

まず、通信が止まったときの影響を見積もる。

次に、費用のかからない備えで足りるかを確認する。

足りなければ、副回線を検討する。

そして選ぶときは、メインと違う通信網にする。

この4段階で判断すれば、無駄な費用をかけずに済みます。

備えは、必要度に見合った範囲で構いません。

全員が二回線を持つ必要はありません。

自分の状況で判断してください。

まとめ:必要度で判断し、選ぶなら通信網を変える

通信障害に備える二回線持ちについて整理してきました。

確認すべき項目は3つ。①通信障害は毎年一定数起きているという前提を持つ ②副回線は少容量なら月数百円程度から持てる ③メインと異なる通信網を選ばなければ備えにならない

全員が二回線を持つ必要はありません。在宅勤務の有無と決済の依存度で、自分にとっての必要度を判断してください。

料金やプランの条件は変わります。契約前に、各社の公式ページで最新の内容を確認してください。

備えるかどうかは、自分の使い方次第です。

必要度を見積もってから判断してください。

不要と判断するのも、立派な結論になります。