若手Webマーケター/SNSグロースプランナーの早瀬優人です。
会議の録音や動画をテキストにする仕事はAIが入ってから大きく変わりましたが、そのぶん「これなら簡単そうだ」と思って請けて、時間が読めずに苦しむ人も増えました。
僕自身も最初に請けた案件で、音源の状態を確かめないまま単価だけを見て応募し、修正に想定の何倍も時間を取られたことがあります。実際のところ、以前は1時間の音声を文字にするのに数時間かかっていた作業も、下地を作るだけなら数分で終わります。
この記事では、AI文字起こしを使った議事録・字幕作成の副業を、仕事の探し方から作業の順番、実務の注意点までを追って整理していきます。
どんな仕事があるか
ひとくちに文字起こしといっても、求められる形はいくつかに分かれます。
主な3つの納品形態
- 素起こし……話した言葉をそのまま文字にする。相づちや言い淀みも残す
- ケバ取り……不要な言葉を削り、読みやすく整える
- 議事録・要約……内容を整理し、決定事項や論点をまとめる
下にいくほど求められる判断が増えていき、そのぶん単価も上がっていく傾向があります。
字幕作成の場合は、これに加えて表示時間の調整や1行あたりの文字数の制約も入ってきます。
仕事の見つけ方
クラウドソーシングでは「文字起こし」や「テープ起こし」といったカテゴリで募集されています。
動画の字幕は「動画編集」の一部として募集されることもあるため、両方のカテゴリを見ておくと見つけやすくなります。
精度を決めるのは、ツールではなく音源です
ここがこの仕事のいちばん大事な前提なので、見積もりを出す前に押さえておいてください。
同じツールでも結果が大きく変わる
「どのAIツールが一番精度が高いか」を探す人は多いのですが、実際に手を動かすとツールの差より音源の差のほうが大きく出ます。
精度を左右するのは、マイクの品質・話者が分かれているか・専門用語がどれだけ出てくるか。この3つです。
雑音の多い会議室で複数人が同時に話し、そこに業界特有の略語が飛び交うような音源は、どのツールを使ってもそのままでは使えるレベルになりません。
音源の質は事前に確認できる
受注する前に次の4点を聞いておくと、見積もりの精度がはっきり上がります。
- 録音環境(対面か、オンライン会議か)
- 話者の人数と、話者を区別する必要があるか
- 専門用語や固有名詞が多い分野か
- 用語集や参加者リストをもらえるか
ここでつまずく人が多いのですが、音源を確認せずに単価だけで請けると、想定の何倍も時間がかかることがあります。
作業フローの組み方
順番として、次の流れで進めると手戻りが少なくなります。
ステップ1:AIで下地を作る
まず音源をAIに通して、テキストの下地を作るところから始めます。
この時点では誤変換が残っていて当然なので、ここで完成度を求めて時間をかけても意味がありません。
ステップ2:音を聞きながら修正する
下地を画面に出したまま音源を再生して、誤りを頭から順に直していきます。
この工程が作業時間の大半を占めます。AIが短縮してくれるのは1のほうで、2はあまり変わりません。
固有名詞や専門用語はここでまとめて確認し、分からない言葉は推測で書かずに必ず調べてください。
ステップ3:納品形式に整える
修正が終わったら、依頼された形式に合わせて仕上げていきます。
議事録なら決定事項と保留事項を分け、字幕なら1行の文字数と表示時間を調整する、といった作業になります。
ここは依頼主ごとにルールが違うので、着手する前に確認しておくと戻しの回数が減ります。
ステップ4:通しで確認する
最後に、仕上がったテキストを頭から通して読み直します。
部分的に直していると全体の流れが崩れていることに気づけないので、時間がなくてもこの工程は省かないでください。
作業の流れがわかったら、実際の募集条件を見てみるのが早いです。
登録は無料でできるので、どんな音源でいくらの募集があるかを眺めてみてください。
守秘義務のある音源を扱うときの確認
ここがこの仕事で最も注意すべき点なので、作業の順番とは別に切り出して説明します。
クラウド型のAIに投げてよいかを先に確認する
会議の録音には、社外に出してはいけない情報が含まれていることが少なくありません。
多くのAI文字起こしサービスは音声をインターネット経由で送信して処理するため、実質的には第三者のサーバーにデータを預けることになります。
守秘義務のある音源をAIに入力してよいかは、契約書のデータの取り扱いに関する条項で決まります。着手前に必ず確認してください。
確認しておきたい3点
- 音源を外部サービスに送信してよいか
- 作業後にデータをいつまでに削除するか
- 納品後の保管期間と保管方法
依頼主のほうがここを意識していない場合もあるので、こちらから先に確認すると、むしろ信頼につながります。
参加者の氏名や連絡先といった個人情報を含む音源を扱う場合は、個人情報保護委員会の法令・ガイドライン等で取り扱いの基本を確認しておくと安心です。
使うサービス側の設定も見る
AIサービスによっては、入力したデータを学習に使うかどうかを利用者側の設定で変えられる場合があります。
業務で使うなら、最初にこの設定を開いて確認してから作業に入ってください。
精度を上げるひと手間
最後に、同じ音源でも仕上がりを良くできる工夫を2つ挙げておきます。
用語集を先にもらう
登場する人名や社名、製品名、業界用語のリストを先にもらっておくと、修正の手間が大きく減ります。
依頼主に「用語集はありますか」と一言聞いておくだけで、そのあとの作業時間が変わってきます。
自分用の変換辞書を育てる
同じ依頼主から継続して受ける場合は、よく出る誤変換をメモに残しておくと次回の作業が楽になります。
この蓄積は地味に見えますが、続けるほど効いてきます。
まとめ:AIが短縮するのは前半、価値が出るのは後半
AI文字起こしを使った副業について整理してきました。
押さえるべきなのは、精度がツールではなく音源の質で決まること、AIが短縮するのは下地作りだけで修正工程は変わらないこと、そして守秘義務のある音源は契約のデータ取り扱い条項を先に確認することの3点です。
AIで下地を作れるようになったからこそ、聞き取って直す力と、扱いを間違えない慎重さが差になります。
最初にやるのは、募集を1件開いて、そこでどんな音源が扱われているかを確かめてみることだけで構いません。
AI副業の全体像は生成AIでできる副業10種類と、それぞれに必要なスキルにまとめています。
















