Webリサーチャーの江原健太です。
「毎月ギガが足りない」。この悩みは、大容量プランに変えなくても解決できることがあります。
データを多く消費している原因は限られています。たいてい、数個の設定に集約されます。
いろいろな端末の使用量を調べていて感じるのは、偏りの大きさです。上位2〜3個のアプリだけで全体の大半を占めています。
この記事では、データ使用量を減らす設定と使い方を整理します。効果の大きい順に並べました。
足りないのか、使いすぎなのかを分ける
データが足りないと感じたとき、原因は2つに分かれます。
プランの容量が生活に合っていないのか、使い方に無駄があるのか。
この2つは対処がまったく違います。
実測した使用量を、いまの容量と比べてみてください。
毎月ぎりぎりで超えているなら、設定の見直しで足りる可能性があります。
大きく超えているなら、設定を変えても追いつきません。プランの変更が現実的です。
逆に、余っているのに不足を感じている場合は、速度制限ではなく電波状況の問題かもしれません。
原因を取り違えると、対策が空振りになります。
まず「自分が何ギガ使っているか」を実測する
対策の前に、現状を数字で把握してください。これをやらずにプランを選ぶのが、最も多い失敗です。
使用量の確認方法
iPhoneは「設定」から「モバイル通信」を開きます。期間中の使用量とアプリごとの内訳が出ます。
ただしiPhoneの数値は自分でリセットしない限り累計され続けるため、「統計情報の最終リセット」の日付を必ず確認してください。
見落とされやすいのが、ここです。数年分の合計を見て驚く人がいます。
Androidは「設定」の「ネットワークとインターネット」から。月ごとの使用量とアプリ別の内訳を確認できます。
3か月分の平均で判断する
1か月だけ見ると、旅行や出張があった月に引きずられます。
直近3か月の平均を出します。それに少し余裕を持たせた容量が、自分に必要な量です。
数字で比べると、偏りは一目瞭然です。アプリごとの内訳を見れば、どのアプリが使用量の大半を占めているかが一目で分かります。
多くの場合、上位2〜3個で全体の大半を占めています。
設定を変える前に確認しておくこと
設定を変えると、使い勝手も変わります。
減らすことだけを優先すると、不便で元に戻すことになります。
変える前に考えておきたいのは次の2点です。
ひとつは、その設定を変えて困る場面がないか。
たとえば自動バックアップを切ると、端末が故障したときにデータが戻せません。
もうひとつは、Wi-Fiがある環境で代替できるかどうかです。
自宅にWi-Fiがあるなら、多くの機能は「Wi-Fi接続時のみ」に設定すれば済みます。
完全にオフにするより、条件付きで有効にするほうが安全です。
アプリごとに設定場所が違います
画質や自動再生の設定は、アプリごとに用意されています。
端末側の設定では変えられないので、それぞれのアプリで探すことになります。
見る場所は、たいてい次のどちらかです。
- アプリ内の設定にある、データ使用量や再生に関する項目
- アカウント設定の中にある、再生品質の項目
まずは使用量の上位に来ているアプリだけ開いて、この2か所を確認してください。
全部のアプリを見て回る必要はありません。
効果が大きい対策1:動画の設定を見直す
データ使用量の大半は、動画が占めていることがほとんどです。
自動再生をオフにする
SNSのタイムラインを開いただけで動画が再生される。この設定は、見ていない動画までデータを消費します。
各SNSアプリの設定から、自動再生を「オフ」または「Wi-Fi接続時のみ」に変更してください。
この設定ひとつで、体感できるほど使用量が変わる人は少なくありません。
再生画質を下げる
動画配信サービスや動画共有サイト。ここにはモバイル通信時の画質を指定する設定があります。
スマホの画面サイズなら、最高画質でなくても支障は出ません。
画質を1段階下げる。それだけで、同じ視聴時間でも消費するデータ量は大きく減ります。
ダウンロードはWi-Fiで済ませる
移動中に見る動画や音楽。これは自宅のWi-Fi環境であらかじめダウンロードしておけます。
通勤時間に視聴する習慣がある人には、この使い方が最も効きます。
制限してはいけないアプリ
バックグラウンド通信を一律に止めると、困ることがあります。
止めないほうがよいのは、次のようなアプリです。
- メッセージアプリ……通知が届かなくなります
- 電話の関連アプリ……着信に影響することがあります
- 決済アプリ……残高の更新が遅れることがあります
- 災害情報や緊急速報に関わるもの
4つ目は、安全に関わるので必ず残してください。
制限するのは、使用量の上位に来ていて、かつ通知が遅れても困らないアプリだけにします。
全部を止めると、節約できても不便さのほうが大きくなります。
効果が大きい対策2:バックグラウンド通信を制限する
自分が操作していない間にも、アプリは通信をしています。
アプリごとに許可を見直す
iPhoneは「設定」の「モバイル通信」で、アプリごとにモバイル通信の使用可否を切り替えられます。
Androidは「設定」からアプリごとに「バックグラウンドデータ」の使用を制限できます。
狙うのは、使用量の内訳で上位に来ていたアプリです。常に最新である必要がないものから制限していきます。
アプリの自動更新をWi-Fi時のみにする
アプリの更新データは容量が大きい。複数が同時に更新されると、一気に消費します。
自動更新をWi-Fi接続時のみに設定しておくと、意図しない消費を防げます。
クラウドへの自動バックアップ
写真や動画をクラウドに自動保存する設定は便利です。ただ、モバイル通信でアップロードすると大量に消費します。
こちらもWi-Fi時のみに変更しておくのが基本です。
実測した使用量が分かると、必要な容量も見えてきます。
どのアプリが使っているかを特定する
全体の使用量が分かったら、次はアプリごとの内訳を見ます。
端末の設定から確認できます。
ここで見たいのは、上位3つだけです。
使用量の大半は、たいてい上位3つのアプリが占めています。
残りを細かく調整しても、効果はほとんど出ません。
上位に来やすいのは、動画、SNS、音楽の3種類です。
この3つに絞って設定を見直すほうが、はるかに効率的になります。
逆に、上位にゲームや地図が入っている場合は、使い方の見直しが必要になります。
内訳は月ごとにリセットされることが多いので、月末に確認する習慣をつけてください。
公衆Wi-Fiを使うときの注意
データを減らす手段として、公衆Wi-Fiを使う方法があります。
ただ、使い方には注意が要ります。
提供元がはっきりしないネットワークには接続しないでください。
接続する場合も、金融機関やログインが必要なサービスの利用は避けたほうが安全です。
自動接続の設定にしていると、意図しないネットワークにつながることがあります。
使う場所を限定して、それ以外は手動で接続する形にしておくと安心です。
データを節約するために、安全性を下げることのないようにしてください。
そのほかの見直しポイント
効果は前述の2つより小さいものの、積み重なると差が出ます。
Wi-Fiの自動接続を整理する
自宅や職場のWi-Fiは自動接続にしておく。それだけで、無意識にモバイル通信を使う時間が減ります。
ただし、公共のWi-Fiに自動でつながる設定は、セキュリティの観点から慎重に扱ってください。
地図アプリのオフライン利用
地図アプリは通信量が大きくなりがちです。よく行く範囲をあらかじめ保存しておけば、移動中の消費を抑えられます。
使っていないアプリを整理する
ほとんど開いていないアプリでも、通知や同期のために通信していることがあります。
使わないアプリを削除するのは、データ量だけでなくバッテリーの面でも有効です。
速度制限がかかった後にできること
上限を超えると、速度が制限されます。
その状態でも、できることはあります。
- テキスト中心の利用……メッセージや検索は使えることが多いです
- Wi-Fiのある場所を使う……自宅、職場、公共施設
- 追加の容量を購入する……ただし割高になりやすい部分です
- 翌月まで待つ……あと数日なら、これが最も安く済みます
3つ目を繰り返している場合は、プランそのものが合っていません。
追加購入の頻度と金額を合計して、上位プランとの差額を比べてみてください。
毎月追加しているなら、最初から容量の多いプランのほうが安くなることがあります。
プランを変えるかどうかの判断
設定を見直しても足りない場合、プランの容量が合っていません。
判断の材料は2つです。
ひとつは、追加購入の頻度と金額の合計。
もうひとつは、上位プランとの差額です。
追加購入の合計が差額を超えているなら、上位プランのほうが安くなります。
逆に、超えていないなら現在のプランのままで構いません。
数字で比べれば、迷わずに決められます。
設定を変えても足りない場合
ここまでの対策をしても容量が足りないなら、それは実際にそれだけ使っているということです。
無理に我慢して使い方を変える必要はありません。自分の使用量に合ったプランへ変えるほうが、満足度は保てます。
速度制限の中で不便を感じ続けるくらいなら、容量を増やす。この判断も選択肢に入れてください。
プラン変更や乗り換えの際の確認事項は、総務省の乗換えのチェックポイントも参考になります。
プラン選びそのものについては格安SIMに乗り換える前にやるべき6つの確認もあわせて参考にしてください。
見直しの効果を確認する
設定を変えたら、翌月に効果を確認してください。
比べるのは、変更前の月と変更後の月の使用量です。
減っていなければ、上位のアプリを取り違えている可能性があります。
もう一度内訳を確認して、対象を選び直してください。
減っているなら、その設定を継続します。
数か月続けて安定していれば、プランの容量を下げる検討に進めます。
家族で使っている場合
データを分け合うプランを使っている場合、誰が使っているかの把握が要ります。
使用量の内訳は、契約者の会員ページで確認できることが多い部分です。
特定の1人が大半を使っているケースは珍しくありません。
その場合、全員の設定を見直すより、その1人の使い方を確認するほうが早く効きます。
責める形にならないよう、数字を見せて一緒に確認する形をおすすめします。
減らすことが目的にならないように
設定を細かく変えていくと、使い勝手が落ちていきます。
データを減らすのは手段であって、目的ではありません。
上位3つのアプリだけを見直して、それで足りるならそこで止めてください。
それ以上やっても、効果は小さく不便さだけが増えます。
足りない場合は、設定ではなくプランを見直す段階だと考えてください。
まず今日やること
この記事の内容を、最初の一歩に絞るなら1つだけです。
端末の設定から、今月の使用量と内訳を開いてください。
上位3つのアプリが分かれば、そこから対策が決まります。
確認そのものは1分で終わります。
確認してから動くほうが、結局は早く終わります。
推測で設定を変えても、効果は読めません。
まとめ:実測してから、上位のアプリだけ対策する
データ使用量を減らす方法を整理してきました。
確認すべき項目は3つ。①まず自分の使用量を実測する ②動画の自動再生と画質を見直す ③バックグラウンド通信とアプリの自動更新を制限する。
すべてのアプリを細かく設定する必要はありません。使用量の上位2〜3個に絞って対策するだけで、多くの人は十分な効果を得られます。
削減できる量は使い方によって大きく変わるため、まずは1か月試して、実際の数値の変化を確認してみてください。
使用量の確認は、月に一度で足ります。
その習慣があれば、足りなくなる前に気づけます。
設定を変えるのは、そのあとで構いません。
